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センスは「天賦の才」ではなく「知識の集積」である

自己啓発

センスは知識からはじまる

著者:水野 学
出版社:朝日新聞出版
発売日:2014年4月18日

著者について

水野学(みずの まなぶ)。クリエイティブディレクター/クリエイティブコンサルタント。1972年、東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。1998年、good design company設立。ブランドや商品の企画、グラフィック、パッケージ、内装、宣伝広告、長期的なブランド戦略までをトータルに手がける。主な仕事に相鉄グループ全体のクリエイティブディレクション及び車両、駅舎、制服等、熊本県「くまモン」、NTTドコモ「iD」、「THE」ほか。

本の概要

センスは「天賦の才」ではない。
センスは「知識の集積」であり、あらゆる分野の知識を蓄積することで洗練されていく。
つまり、方法を知って、やるべきことをやり、必要な時間をかければ、センスは誰でも手に入れられるというのが本書の主張だ。

現代は多様性の時代である。
ひと昔前まで有用だったスキルも、今日ではまったく使えなくなったものもある。不確実性が高く、半歩先も見えにくくなっている現代に求められるのは、スキルよりもセンスだ。センスを磨くことで、知識が集積され、論理的に物事を予測できるようになるのだ。

本書では、グッドデザインカンパニー代表の水野学氏が「センス」の正体を解き明かし、「センスの磨き方」を解説する。日々の業務で「センス」が求められるクリエイターやデザイナーはもちろんのこと、不確実性の高いビジネス環境で「センスのある意思決定」をする必要がある経営者にとっても必読の一冊だ。

読んだ感想

“All ones relate to all other ones. ”
(あらゆるものは、他のあらゆるものと関連する )

「万能の天才」と呼ばれる芸術家・レオナルド・ダヴィンチは、たった15作品しかこの世に遺さなかったといわれています。しかし、その1つ1つが「完璧」な仕上がり。胸の奥底をすべて見透かすような眼差しで見つめる『モナ・リザ』や、裏切り者ユダを告発する緊迫の瞬間を鮮やかに切り取った『最後の晩餐』に、心を奪われない人はいるのでしょうか。病的なほどに完璧主義だったといわれるダヴィンチは、1つの作品を完成させるのに悠久の時をかけたといいます。

ダヴィンチは芸術のみならず、建築、数学、解剖学、天文学、物理学をはじめ、千紫万紅の分野で能力を開花させました。一見すると、それぞれがまったく別の分野で偉大な功績を残しているようにもみえますが、そうではありません。彼は「あらゆるものは、他のあらゆるものと関連する」と考えていました。

たとえば、ヴェロッキオとダヴィンチが遺した作品のひとつに『キリストの洗礼』があります。ヨルダン川で隠遁生活を送っていた聖人ヨハネのもとに、イエスキリストが来訪し洗礼を受ける場面を描いたこの作品。四つの福音書のうち、マタイ、マルコ、ルカの福音書に記載がある洗礼のシーンを、ルネサンス文化の潮流を受けて描いた作品となっています。

作品の中央には、布を腰に巻いた半裸のキリストが描かれています。特筆すべき点は、海岸を打つ波のような美しくしなやかな筋肉の隆起。ダヴィンチが映像を切り取ったかと思うほどリアルな描写ができたのは、彼が学んでいた解剖学の知識があったからだと考えられます。生まれもったセンスの賜物ではありません。自然現象や人体を観察し、学んだ「知識の集積」こそがダヴィンチの十全十美のアウトプットを生み出したのではないでしょうか。

長年、ホームページ制作を生業としてきた私は、プロとして「センス」という言葉に人一倍向き合ってきたと自負しております。その経験から言っても、やはり「センスのある作品」を生み出すクリエイターやデザイナー、ライターは、例外なく「知識の集積度」が桁違いに高い方ばかりだと思います。センスは知識からはじまる。まったくもってその通りだと感じました。

さて、これほどまでに輝かしい作品を遺したダヴィンチですが、彼は晩年「まだ何も成し遂げていない」と言ってこの世を去ったそうです。私も、まだ何も成し遂げていません。今日という一日を大切にしながら、善く生き、善く学び、「センス」を磨いていこうと思います。

印象に残った言葉【本書から引用】

「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。(P.14)
企業の価値を最大化する方法の一つに、センスというものが挙げられる。それどころか、その会社が存続するか否かも決める。(P.31)
現代においても、ごく身近なところで知識にもとづく予測はできますし、予測する必要があります。それがセンスを磨くことにつながっていきます。(P.69)
センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスはよくならないのです。(P.72)
しかし、センスが知識の集積である以上、言葉で説明できないアウトプットはあり得ません。自分のセンスでつくりあげたアイデアについて、きちんと言葉で説明し、クライアントなり消費者なりの心の奥底に眠っている知識と共鳴させる。これがクリエイティブディレクターの仕事であり、ものをつくるということだと僕は考えています。(P.93)

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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