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人生は有限、「本当にやりたいこと」を今この瞬間にやる

自己啓発

限りある時間の使い方

著者:オリバー・バークマン(著)、高橋 璃子(翻訳)
出版社:かんき出版
発売日:2022年6月22日

著者について

オリバー・バークマン(Oliver Burkeman)。イギリスの全国紙ガーディアンの記者として、外国人記者クラブ(FPA)の若手ジャーナリスト賞などを受賞した気鋭のライター。著書『解毒剤 ポジティブ思考を妄信するあなたの「脳」へ』が世界各国で話題を呼んだ。ガーディアン紙で心理学に関する人気コラムを毎週執筆中。ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルといったアメリカの有名紙、雑誌サイコロジーズやニュー・フィロソファーにも記事を寄せている。

本の概要

人生はたった4000週間しかない。
だからこそ、私たちはこの「限られた時間」を有効に使う必要がある。

だが、私たちは生産性を高めようとするたびに、本当に大事なことがなぜかどんどん遠ざかってしまう。
効率を上げればあげるほど、ますます忙しくなってしまう。

いったい、人生という「限られた時間」を有効に使うにはどうすればいいのだろうか。
その答えのひとつは、人生の有限性を受け入れ、今この瞬間を大切にすることかもしれない。

そして本書は、そんなかけがえのない「今」をより良く生きる方法を教えてくれる本だ。
いつまでも終わらないタスクに追われ、「いつかこの忙しさから解放される」という幻想に囚われるのはもう終わりにしよう。

忙しすぎる日常に疲れてしまった方や、将来への希望を見失ってしまった全ての方々に、本書を強く推薦したい。

読んだ感想

生涯を終えるとき、私たちは何を想い、何を望むのだろうか。
たった4000週間という限られた時間の中で、やりたいことを全てして、後悔のない人生など送れるのだろうか。

本書を読めば、残念ながら「やりたいことを全てして、後悔のない人生を送る」なんてことは不可能だということがわかります。それほどまでに、私たちの4000週間という人生は儚く短いものなのです。

しかし、だからこそ私たちは今この瞬間を大切にし、「本当にやりたいこと」を実行しなければいけません。人生は有限なのだからこそ、やりたいことを今この瞬間にやらなければ、それをする時間はなくなってしまう。「今はまだ忙しいから」と目の前のタスクに追われているうちに、短い人生はあっという間に過ぎてしまうのだと、本書を読み痛感させられました。

少し話が脱線してしまいますが、私は「人生が有限」という言葉を聴くたびに、ある人物を思い出します。イギリスの物理学者であるスティーヴン・ホーキング博士です。

彼との出会いは、私がまだ会社を立ち上げて間もないころ。ちょうど15年ほど前の頃です。当時、新刊として出版された児童向け小説『宇宙への秘密の鍵』を偶然読んだのがきっかけでした。もちろん、ホーキング博士は「車椅子の科学者」として度々取り上げられていたので、彼が偉大なる物理学者であり、ALS(筋委縮性側索硬化症)という病と闘っていることは存じ上げていました。しかし、彼の著作をしっかりと読み込み、彼のことをもっと知りたいと強く感じたのは、『宇宙への秘密の鍵』を読んでからのことでした。

小説は児童向けに、わかりやすい言葉で書かれていましたが、内容は大人の私にとっても非常に興味深く、神秘的な宇宙の持つ謎の虜になるようなものでした。その小説をきっかけとして、私はホーキング博士の生き方に強い関心を持つようになりました。

言うまでもなくALSは難病であり、2023年になった今もなお、ALSを根本的に治すといった治療法はありません。ALS発症からの症状の進行は比較的急速であり、発症から死亡までの平均期間は3.5年とも言われているそうです。ホーキング博士はこの不治の病を21歳のときに発症し、余命はたった2.5年と宣告されたそうです。

全身の筋肉が徐々に動かなくなるという恐怖と、たった130週間しか生きられないという限られた時間。それでも彼は、宇宙の研究を決してやめませんでした。自らの生命力を信じ、車椅子生活を余儀なくされながらも、彼が一番やりたかった「宇宙の研究」をし続けたのです。

彼は著書『ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう』の中で、このような言葉を残しています。

『私は、時間の大切さを身にしみて知っている。いまという時を逃してはならない。行動するのはいまだ。』

どれだけの人が、彼の「限られた時間を大切に使う」という姿勢に心を打たれたでしょうか。私も、彼のような生き方がしたいと思っている人間の一人です。

5年前の春に、彼は76歳でこの世を去りました。
宣告された余命から53年も後のことでした。

彼はもうこの世にはいませんが「限りある時間を大切に使う」という彼の精神は、今もなお私の心に残り続けています。目の前にある「今この瞬間」を大切に、1秒1秒を噛み締めながら精一杯生きようと改めて思いました。

印象に残った言葉【本書から引用】

生産性を高めようとするたびに違和感は増していく。本当に大事なことが、なぜかどんどん遠ざかってしまう。(p.10)
僕たちは時間をあるがままに体験すること(時間であること、といってもいい)をやめて、「今」という時間を未来のゴールにたどり着くための手段に変えてしまった。今はまだ楽しむときじゃない。いつかタスクがすっかり片付いたら、その時こそリラックスして楽しもう、というわけだ。(p.29)
自分が死ぬという事実、そして自分の時間がとても限られているという事実を骨の髄まで実感したとき、人生には新たな奥行きが現れる。幸せというよりも、人生がよりリアルになるのだ。(p.67)
僕たちが気晴らしに屈するのは、自分の有限性に直面するのを避けるためだ。つまり、時間が限られているという現実や、限られた時間をコントロールできないという不安を、できるだけ見ないようにしているのだ。(p.108)
そうではなく、未来をコントロールしたいという執着を手放そうということだ。そうすれば不安から解放され、本当に存在する唯一の瞬間を生きられる。つまり、今を生きることが可能になる。(p.123)

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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