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2023.06.22|デザイン
「まるで砂漠を歩いていて、オアシスを見つけた旅人の気分だったわ」
あるお店を見つけたときの気分を知人がこう話してくれました。彼女のその時の状況からもお店についての一言が多くを語っているのが分かります。
知人の女性はジャーナリストです。海外出張も多く、飛行機の旅も慣れたもの。ところが、その時の海外出張は散々でした。エージェントの手違いで飛行機のトランジットは7時間待ち、さらにその飛行機も霧で遅延のありさま。
目的地に到着したときは27時間の移動でクタクタだったそうです。追い打ちをかけるように迎えの車が2時間遅れる知らせ。泣きたい気持ちで空港に佇んでいた彼女の目に入ったのはグリーンと白のあのマーク。それが「スターバックス」でした。
日本の裏側の土地で見つけた馴染みのマーク。店内はいつも通っている店と同じく心地よい音楽が流れ、コーヒーの良い香りが漂っていました。程よい距離感で寄り添い、ホスピタリティあふれるスタッフ。
たった一杯のコーヒーの時間が彼女にとってどれだけ素晴らしいものだったかを語ってくれたのでした。
目次
社会心理学によると、人は決まった店(場所)で満足した経験を3回以上体験すると、同様の場所に行ったときも同じ経験を期待すると言われています。さらに経験を重ねると、場所のマークやイメージするものを見ると経験が頭の中で再現されるそうです。
エピソードから彼女の中にはすでに今までに経験したスターバックスのイメージがインプットされていました。そのため、初めての異国であってもお店のロゴを見た瞬間に同じサービスを受けられることを期待し入店したのです。実際に期待通りになり、さらに彼女の中にあるスターバックスのイメージがアップしたといえるでしょう。
ここでいう、お店のつながりになるものとは、「スターバックスの文字」「おなじみの丸いロゴ」だけです。
あなたはスターバックスをどのようにイメージしますか?
イメージはこのような感じでしょうか。
実は、このイメージすべてがCIデザイン(Corporate Identity)です。簡単にいうと「企業の個性」で、「他の企業と差別化できる強味」とも考えられます。スターバックスのCIデザインを分析してみます。
世界各地に展開しているスターバックスの店舗ですが、国、宗教、地域、社会性を考慮しつつ共通して店内は落ち着いたインテリアを配置しています。スタッフのサービスも丁寧でさりげなく、配慮のあるコミュニケーションは心地よいものです。
スターバックスおなじみのグリーンと白の女性のロゴマーク。神話から飛び出した尾が2つある人魚「セイレン」の顔ですが、口角がわずかに上がった微笑みがコーヒーブレイクをさらに引き上げてくれます。
スターバックスのクリエイティブディレクター、スティーブ・マレー氏はロゴマークについて次のように語っています。
「私たちスターバックスにとって彼女は、パートナー(従業員)とならぶ、最大のシンボルです。」
創業当初はロゴに「スターバックス」の文字が入っていましたが、時代とともにマークだけで誰もが「スターバックス」を認知出来るようになり、顔のイラストを大きくし、文字を消すなど最適化されています。まさにシンボル化です。
スターバックスの店名は専用にデザインされたタイポグラフィーで、角ばらず、丸すぎず文字間の調和も見事に配置されています。店によって看板や文字の色は異なりますが、どの色であっても読みやすく、アクセシビリティに優れているのは誰もが認めることです。そして、さりげなくアーティスティックであることもポイントです。
またメインカラーの深いグリーンは環境に配慮していることへのアピールにもつながります。コーヒー業界でいち早くマイカップ持参への取り組みを実施したのもスターバックス。取り組みの速さも成功のカギといえるでしょう。
スターバックスで扱っているコーヒー豆が高品質で美味しいことは言うまでもありません。それに加える付加価値に満足することでリピーターが増えていくのだと考えられます。お店全体に満足しているからこそ、少しリッチであっても十分価値があると感じる人が多いのも事実です。
スターバックスのお店のロゴマークと看板は冒頭の彼女の一言のようにCIデザインすべてを引き出すきっかけになるのです。
また、CIデザインは顧客に「寄り添う」ことで浸透し、繰り返されて企業は成功していくのだと考えられます。
世界中から認知されているスターバックスから学べる経営戦略はたくさんあります。
ご縁を積極的に作ることで事業を知ってもらうきっかけになります。自社のロゴを作る、事業内容に合うようなフォントを使って社名を制作する。
自社サイトにロゴを掲載し、サイト内の情報を充実させます。アクセスアップを目的にSNSでの発信もプロモーション効果が期待できますし、被リンクを増やす効果もあります。
満足してもらえるサービスを提供し、リピーターになってもらうこと。つまり良い経験を複数回体験してもらうことです。顧客の業種に応じてサービス内容のバリエーションを増やすことで、ピンポイントの顧客獲得につなげることが可能になります。
どのスタッフが対応しても同様のサービスを提供できることは、信用獲得のためにも大切なことです。事業内で上下ではなく横に情報共有し、スタッフ全員が同じ知識、専門性を所有できるように風通しの良い社内環境を維持し続けることがポイントになります。
スターバックスは従業員を「パートナー」と呼びます。「パートナー」からも、会社全体で1つの事業を運営している意識が理解できます。
提供したサービスに満足してもらうことを最優先にすると、リピーターもしくはその後の相談として声がかかるでしょう。
利用者の評価が上がり、紹介のきっかけや口コミからの新規依頼の可能性も高くなります。
自分たちが日々利用しているサービスにはおなじみのロゴやサインがあり、利用を繰り返すことで企業のCIデザインの浸透に結びつきます。
成功している企業の経営理念とつながるCIデザインを紐解くと、その本質の共通は「寄り添う」ことにつながることがわかります。
CIデザインの本質を理解し、「寄り添う」にフォーカスすることは経営する立場としてとても大切なことだと考えています。
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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