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なぜ「紅白」なのか。赤と白の持つ意味に迫る

2024.01.01デザイン

「ねえ、どうして赤と白なの?」

散歩をしていると親子の声が聞こえてきました。地鎮祭に使われていた紅白の幕を指して、小学生ぐらいの女の子がお父さんに聞いています。「おめでたい色だからだよ」と返事。こたえを聞くと「おめでたい色が赤と白なの!?どうして?」彼女はさらに鋭い質問をしています。「日本では、赤と白がおめでたい色と決まっているんだよ」慌ててこたえたお父さんの気持ちを見透かしたように「へえ、そうなの」と素っ気ない返事。満足していない様子でした。

私達の生活の中では、出産や結婚、新築や開業などおめでたい場には紅白のまんじゅうや幕、のしを使ってお祝いを表します。当たり前のように使っている「赤」「白」ですが、その理由や背景を知る人は意外と少ないのではないでしょうか。

なぜ、おめでたいときは「赤」と「白」なのか、そしてどうして「紅白」と呼ばれるのか。女の子の疑問に、わかりやすいこたえを考えるべくリサーチしていくと日本の伝統と文化、視覚に訴えるデザインの効果など、多くの秘密が明らかになってきました。

数あるカラーの中から選びぬかれた「赤」と「白」の不思議に迫ります。

色彩の象徴としての「紅白」

色彩の象徴としての「紅白」の意味は2つあります。

  • 対抗する二組の組分けを表す 例)赤白帽・紅白歌合戦
  • お祝い、めでたいことを表す 例)入学式・卒業式・地鎮祭・竣工式

どちらも歴史的背景や文化的な思考から表現されるものです。

紅白の歴史的背景

平安時代末期(1180年~1185年)に起こった大規模な内乱「源平合戦」では、それぞれが敵と味方を区別するために、源氏は「白地に赤丸」平家は「赤地に金丸」の旗を目印にしたとされています。これらの地色の「白」と「赤」の対照的な色合いから「対抗する配色」として使われるようになったという説が有力です。

戦で、敵と味方の区別の方法から生まれた「紅白」は、二組の組分けの対抗戦に用いられるようになりました。代表例が大晦日恒例の「紅白歌合戦」です。

紅白の文化的意味

紅白の意味についてはいくつか説があります。日本では、古くからおめでたい行事のときには赤飯を炊き、餅をついて近所にふるまう習慣があります。赤飯の「赤」と餅の「白」から、お祝いごと、めでたいことに使用される紅白の幕や水引、まんじゅうなどにつながったと考えられる説もその一つです。

また、「赤」は赤ちゃん=生、「白」は白装束=死を指し、赤と白が生から死への一生ととらえて考える説もあります。嫁入りに着用する白無垢(裏地を赤く染めた白無垢の赤ふき)は結婚前の自分が一度死んで、嫁ぎ先で新たに生まれ変わることを表現しているとも言われています。

いずれの考え方も、日常(ケ)と非日常(ハレ)を区別する日本の感性が根底にあると考えられます。赤と白のコントラストをはっきりさせて、非日常の特別感を味わう伝統文化の継承なのでしょう。

紅白の意味と価値

では、どうして「赤白」ではなく「紅白」なのでしょう。理由のひとつは「赤」の意味にあるといわれています。

「赤」は音読みで「せき」と呼びます。「赤裸々」「赤貧」などの熟語から、「むき出し」「裸」の意味として表現されます。また、「赤っ恥」「赤の他人」「真っ赤なうそ」のように、「赤」を使用した言葉にネガティブなイメージがともなうことから「紅」になったという説があります。

また、日本に漢字をもたらした中国では赤い色のことを「紅」という字で表していたためという説もあります。「紅人」は中国では人気者を表し、「紅包」はご祝儀の意味です。縁起物の色にふさわしく魅力的な色として「紅」が使用されたという考え方も理解できます。

「赤(紅)」と「白」を使った企業デザイン

日本の文化を継承する色として頻繁に用いられる「赤(紅)」と「白」ですが、ビジネスにも活用されています。この鮮やかなコントラストを使ったロゴを起用し、企業のイメージにつなげている例をいくつか見ていきましょう。

コカ・コーラ

コカ・コーラの商標ロゴは世界中で共通して使われています。背景の鮮やかなコークレッドに白の「Coca-Cola」の文字がぱっと目に入ってきます。このインパクトの強い文字は、"Spencerian script"(スペンサリアン・スクリプト)と呼ばれる特別な手書き風のフォントで、初めてコカ・コーラが採用し、現在も使われています。

冬の広告にはサンタクロースが定番の赤い衣装と白いひげで登場し、サンタクロースのスタイルを世界共通に定着させました。

ユニクロ

ユニクロのロゴに使用されている赤(紅)と白は、単なる色彩だけでなく、ブランドの象徴として重要な意味を持っています。赤は「赤字」や「赤字経営」を連想させる中で、あえてユニクロがこの色を選んだのは特筆すべき点です。実際、ユニクロの創業者である柳井正氏は、「赤字を覚悟できるなら大きなチャンスがある」という信念を持ち、赤字を前提に着実な成長を目指していました。

この「赤」は、挑戦と成長への意志を表すだけでなく、文化や力強さも象徴しています。一方、「白」は「無」や「清潔さ」を表し、ユニクロが提供するシンプルで質の高い衣料品のアプローチとリンクしていることがわかります。この赤と白の組み合わせは、グローバルな市場での競争力を象徴しており、ユニクロが世界的に成功を収める要因となっています。

日本航空(JAL)

日本航空(JAL)のロゴに使用されている「赤」は「朱」という色が使われています。まず、「朱」という色は「紅」と同様に日本文化において特別な意味を持ちます。神聖な色として神社の鳥居や建物にも使用され、幸運や祝福を表す色として重要視されてきました。

一方、JALが採用する白は、航空業界における安全性や信頼性、そして日本の伝統的な美意識を表しています。朱と白の組み合わせは、JALが提供するサービスに対する高い品質と、日本独自のおもてなし精神を示しています。

国の象徴として使われる「赤(紅)」と「白」

国旗や国章など、国の象徴として「赤(紅)」と「白」の色彩を採用している国は数多くあります。それぞれ、デザインやモチーフを使い、国の歴史や文化、価値観を反映しています。

デンマーク

デンマークの国旗は、その歴史や象徴性から多くの意味を持っています。赤地に左寄りの白十字は、「ダンネブロ」(赤い布)として知られ、デンマークの象徴的な旗です。この旗は、国民の祖国愛やキリスト教への信仰を象徴し、赤は戦士の勇気や力強さを象徴し、白は純粋さや誠実さを表します。

1854年に正式な国旗として制定されたデンマークの旗は、ヨーロッパ最古の君主国としての歴史を反映したデザインです。北欧諸国の国旗に見られるスカンジナビア十字は、実はデンマークの国旗が元になっています。

カナダ

カナダの国旗のデザインには象徴的な意味が込められています。赤い中央のメープルリーフ(カエデの葉)は、カナダの国土いずれの地でも確認できることから統一を表現しています。また、赤と白は、カナダの国の色として1921年に指定されました。

この国旗には、北アメリカ大陸をはさんでいる太平洋と大西洋を表す両側の赤い帯も含まれています。そして、メープルリーフのデザインには特別な要素があります。葉の先端の尖った部分と葉柄を合わせた12の数は、カナダを構成する10の州と2つの準州(現在は3つの準州)を象徴しています。

赤と白の色彩とメープルリーフのデザインを通じて、カナダの自然の美しさや豊かな文化、そして国民の誇りを象徴しています。

日本

日本の国旗である、赤い日の丸は太陽を象徴し、日の出の輝きを表現しています。日本の国旗における太陽のシンボルは、古来信仰の対象とされている太陽の神、天照大神を連想させます。聖徳太子が隋の皇帝に送った国書では、「日出ずる国」という表現が使われており、日本人が太陽を強く意識していたことがわかります。

また、先に述べた源平合戦で勝利した源氏の旗が白地に赤の丸であったことから今に至るという説もあります。

日本の国旗は非常にシンプルで、子どもも描けるデザインですが、その裏には古くからの歴史と文化、そして国民の誇りが込められています。

まとめ

伝統的な「赤(紅)」と「白」は、文化や歴史を背景に、多く用いられてきました。その鮮やかなコントラストと存在感は、日本の文化的アイデンティティに深く根付いており、今日でも尊ばれています。日本の国旗である日の丸をはじめ、外国の国旗にも使われており、表現こそ違うもののその魅力は世界共通であることがわかります。

また、ビジネスの分野でも国内外の企業ロゴに起用され、エネルギッシュでありながら誠実である印象をもたらしています。

現代のデザインにおいても、「赤(紅)」と「白」のような不動の伝統色は、人の心をつかむ価値ある作品づくりのヒントになるでしょう。

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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