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黄金比は本当に美しいのか?「美しい」と「かわいい」の微妙な関係

2024.02.02デザイン

Webサイト制作やデザインに携わる多くのデザイナーにとって、黄金比は馴染み深く、参考にしてきた経験も多いでしょう。画像のサイズや会社のロゴ、顔の輪郭から商品まで美しいデザインの決定要因として黄金比が用いられています。

人の感性や環境、また生物の形につながる黄金比ですが「黄金比=美しい」とはいい切れない例もあります。そのひとつが、日本の「かわいい」です。海外でも共通語になりつつある「KAWAII」は、美の表現方法として広く認知されてきています。

「かわいい」にあてはまるものは黄金比には収まりません。それでも、称賛される理由はどこにあるのでしょうか?黄金比に対する「美しい」「かわいい」の関係について考察していきます。

そもそも「美しい」とは何か?

「美しい」とされるものは「それを多くの人が美しいと認知している」ことが第一条件でしょう。そして、美しいと認識する要因としては、次のようなものがあります。対象は芸術や自然、人間の身体などさまざまです。

  • 視覚的な要因(色・形・配置・サイズ)
  • 感情的な要因(感動や幸福感が感じられるもの)
  • 文化的な要因(歴史や習慣から美を認識しているもの)

ただ、「美しい」は、主観的な感覚や価値観に基づいて捉えられる言葉でもあり、美の定義は個人や文化によって微妙に異なります。誰かが「美しい」と表現すれば、その対象物は「美しい」ものになるようというような、明確な基準はありません。

また「美しい」を英単語に表すと「beautiful」「pretty」などに訳されます。「おや?」と思われた方もいるかもしれません。

実は、日本語で表現する「pretty」(かわいい)も「美しい」をボーダレスで表現できる形容詞なのです。このことからも「美しい」の表現範囲がかなり広いことが理解できます。

黄金比とはいったい何なのか

デザインのお手本といわれる「黄金比」とは、「1:1.618(約5:8)」の比です。「神の比」「神聖比率」とも呼ばれ、古代から究極の美を象徴する比率とされています。

代表的なものとして、パルテノン神殿、サグラダ・ファミリア、凱旋門のような歴史的建造物や、ミロのヴィーナスやモナ・リザなどに黄金比が見られます。

さらに、楽器や会社のロゴ、家具や家電、名刺まで、黄金比は日常に溢れています。美容業界でも黄金比を取り入れ、顔のパーツに適用することが一般的です。このようにモノづくりの世界などでは意識的に黄金比を取り入れています。しかし、自然に黄金比になるケースもあります。

自然の生物です。巻き貝の殻や植物の葉の模様、花の配置などにも黄金比が隠れていることがわかっています。このことから、黄金比は、生命の起源から自然に生まれて来ているものである可能性も考えられます。

黄金比を美しいと感じる理由

黄金比と美の関係は複雑です。黄金比を美しいと感じる理由として考えられるのは、「視覚効果」と「フィボナッチ数列」、そして「刷り込み」です。

視覚効果は、先に自然界に生まれていた生物や植物に隠された黄金比を頻繁に目にすることによって、無意識に黄金比を認識していることがあげられます。

見慣れたものは、違和感なく受け入れられるため安堵感が生まれます。視界に自然に馴染むことで、心理的要素が影響し美と黄金比の関係が生まれてきたとも考えられます。

フィボナッチ数列は下記のように隣り合う数字を足して並べていく数列です。
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…

この数列が増えていくほど、隣り合った数字の比率が1:1.618に近づいていくというものです。フィボナッチ数列は、植物の種や花びらの数など自然界や生命の成長にも見られます。黄金比は、比率が1:1.618というフィボナッチ数列に非常に似ていることから黄金比と結びつくことで、人々は無意識に美を感じるのかもしれません。

さらに、黄金比は歴史的な建築物や芸術作品にも頻繁に使用されており、これらの作品が美とされることで、黄金比が美の象徴として刷り込まれ、定着しました。歴史や文化的な背景も黄金比の美しさに影響を与え、私たちの美意識に深く根付いているといえるでしょう。

黄金比だけが美しいのか?

では、黄金比だけが美しいのでしょうか?その例外は日本にありました。「美しい」の表現は、英語では「beautifiul」のほかに「pretty」があることに注目します。日本語では「かわいい」と訳されますが「美しい」に含まれる表現でもあります。

日本語の「かわいい」と表現されるものにも規則があります。この比率は、黄金比ではなく 「1:1.414(約5:7)」で、白銀比(大和比)と呼ばれる比率です。

白銀比は、日本国内の寺社建築や日本絵画にも用いられ、用紙サイズ(A4、A5)にも用いられています。注目したい点は、日本の「かわいい」と評価されている人気のキャラクターのほとんどが、この白銀比にあてはまることです。全体的に、少し正方形に近い形、キャラクターにすると身体のサイズが少し幅広いぽっちゃりスタイルです。

海外でも日本のアニメは人気で、白銀比で描かれたアニメのキャラクターを「KAWAII」として、認知されるようになり、黄金比だけでなく白銀比も「美しい」の仲間入りをしていることがわかります。

黄金比と白銀比

黄金比と白銀比は、美的要素として異なる文化で生まれ評価を受けてきました。

黄金比は、古代ギリシャ文化から根付き、黄金比を用いた像からもわかるように人の外見では、スレンダーで、しっかりした体格、欧米人の顔立ちで面長でスッキリした印象です。シャープで強いイメージから「美しい」の中では「きれい」のジャンルで、「個々」「自立」など狩猟民族の文化背景が感じられます。

一方、白銀比は、古来日本文化から継承され、日本の人気アニメキャラクターからもイメージできる通り外見は「ぽっちゃり」スタイルです。限りなく正方形に近い体格をもち、日本人の顔立ちで、白銀比は幼い雰囲気をもった穏やかな印象です。やさしく親しみやすいイメージから「美しい」の中では「かわいい」のジャンルになり「和」「協調」など仲間と一緒に協力する農耕民族文化の背景が読み取れます。

黄金比と白銀比は文化的な価値観や美意識にも深く結びついています。黄金比が西洋文化において独立と個性を強調する中で美とされるのに対し、白銀比は日本の共同体志向や協調性を重視する文化に根付いています。

まとめ

多くのデザイナーがWebサイト制作やデザインにおいて黄金比を参考にしていますが、「美しい」には異なる文化や感性が影響しており、日本の「かわいい」文化が一石を投じています。

美しいとされる要因は視覚的、感情的、文化的な要素が絡み合い、主観的な価値観によっても異なります。黄金比は古代から究極の美を象徴するとされ、歴史的な建築物や芸術作品にも頻繁に使用されていますが、これだけが美と定義することはできません。

日本の「かわいい」文化は白銀比に基づき、アニメキャラクターや国民的なキャラクターがこの比率に合致しています。海外でも受け入れられ、「美しい」の新たな側面として浸透しています。

秋葉原のアニメショップでは、世界中のアニメファンが「かわいい=KAWAII」美意識を共有し、美の範囲が広がっています。これからも主観的な発信が美の多様性を促進し、新たな美の形が生み出されていくのでしょう。

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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