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官渡の戦いから学ぶ経営戦略「ランチェスター戦略」とは

2023.05.25経営・マーケティング

『我は専にして一となり、敵は分かれて十となれば、これ十を以ってその一を攻むるなり。即ち我は衆にして敵は寡なり』-孫子
この言葉は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家「孫武」の作とされる兵法書『孫子』の一節を引用したものです。孫武のこの言葉は、自分と相手がたとえ同じ兵力であっても、味方の戦力を一つに集中させ、相手の十分の一の兵力と局地戦に持ち込めば、相手を圧倒できることを示しています。

この戦略を使って成功を収めたのが後漢末期の三国志、魏の曹操孟徳でした。

西暦200年の「官渡の戦い」は曹操が台頭する足がかりともなった三国志の大戦のひとつです。 相手は河北を平定した英雄、袁紹。この戦いに於いて、曹操が率いた兵力動員数は2万弱に対して、袁紹軍は約10万もの兵力動員数を誇り、兵力差が5倍近くもありました。圧倒的な数の優位性は、正面からぶつかっても覆ることはなく、持久戦に追い込まれて敗北するだけです。 ここで曹操が取ったのが「弱者の戦略」です。 局地戦、一騎打ち、一点集中、接近戦、奇襲攻撃。 これらの戦略を巧みに使い、見事に逆転勝利を収めた曹操は、後に河北一帯を治めることに成功します。

強者には強者の、弱者には弱者の戦い方があります。
戦いを制するための秘訣は「適切な戦略」を選ぶことにかかっているのです。
そして今回紹介する「ランチェスター戦略」では、兵力(規模)の小さい中小企業が、如何にして兵力(規模)の大きい企業に打ち勝つのかを説いています。ランチェスター戦略について学ぶことで、自社の取るべき戦略が見えてくるでしょう。

ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略は、第一次世界大戦期にイギリスのフレデリック・ランチェスターによって提唱されました。元々は戦争に勝つための戦略論で、強者と弱者には異なる戦略が必要だと説いています。

この考え方が、現代のマーケティング戦略論として普及し、かのAppleやAmazonなどの名だたる企業の市場拡大にも一役買っています。

ここでいう強者と弱者の定義は以下のとおりです。

強者・・・シェア26.1%以上の1位
弱者・・・それ以外

強者とは、圧倒的1位を指し、それ以外は全て弱者を意味します。
つまりランチェスターの「弱者の戦略」を読み解くことで、私たち中小企業経営者が取るべき戦略が見えてくるのです。

弱者の戦略とは

「弱者は差別化で戦え」

「弱者の戦略」はランチェスター戦略の一部で、市場で競争する上で「弱者」の立場にある企業がどのように行動すべきかを示しています。

具体的には、局地戦、一騎打ち、一点集中、接近戦、陽動戦です。

これら5つの戦略は、資源が限られた弱者の戦い方を指南するものであり、この戦略を活用することで強者に対しての差別化を見出しています。

局地戦 - 限られた狭い場所で戦う

局地戦は、自分が有利と考える地域や市場で強者と戦う戦略です。
この戦略は、競合がいない(弱い)地域やニッチな市場を見つけ出し、そこでブランドの確立を目指します。

一騎打ち - 1対1で戦う

一騎打ちは、相手の数を絞って戦う戦略です。
ここでいう絞り込む相手とは、競合相手であり、ユーザー(消費者)でもあります。
数の優位性を無効化し、自社の強みで勝負をするのが狙いです。

一点集中 - 標的を1つに集中させる

一点集中は、自社の限られたリソースを一つの目標に集中し、その達成に全力を注ぐ戦略です。
特定の部分での勝利を目指しますが、他の市場を捨てるというリスクも伴います。どこを狙うかが、弱者が生き残るうえで重要になります。

接近戦 - 相手に近いところで戦う

接近戦は、相手との距離を縮めて、直接的な戦いを仕掛ける戦略です。
強者と同じ距離感で戦っても勝ち目はありません。重要なのは相手を徹底的に観察し、相手の要求にすぐに応えることです。

陽動戦 - 予想外のところを狙う

陽動戦は、強者の注意が向いていないところを攻める戦略です。
新製品の投入やマーケティング戦略の方向転換などが考えられます。

弱者の戦略の本質は「差別化」である

ランチェスターが「弱者の戦略」を通して提唱しているのは「差別化」です。

差別化は、企業が自社の製品やサービスを他社と比較して一線を画すための戦略です。どの企業も他の企業と同じものを提供していては、ユーザーにとって選択の理由がなくなってしまいます。そのため、企業は自社の製品やサービスが他社とは異なり、独自の価値を持つことを示す必要があります。これが「差別化」の目的です。

私たち、弱者がついやってしまいがちなのは、「強者のマネをする」ことではないでしょうか。目の前に成功例があれば飛びついてしまうし、ノウハウの構築を一から築き上げるのは途方も無い時間と労力を消費します。

もちろん強者のマネ自体は間違いではありません。
大事なのは、その後です。

ランチェスターは、そこから「差別化」をして戦うべきと説いているのです。
全体としての兵力は少数であっても、「これだけは絶対に負けない」という局地戦に持ち込むこと。そうすることで、あなたの会社ならではの独自の価値を生み出すことができます。

弱者が絶対にやってはいけないたった一つのこと

ここで弱者が絶対にやってはいけないことがあります。
それは「強者と同じ土俵で戦うこと」です。

同じ土俵で戦うことは消耗戦につながり、最悪の場合、価格の買い叩き合戦の様相を呈していきます。これは、強者の戦い方です。

少し想像してみてください。もし「官渡の戦い」に於いて、曹操が兵力差が5倍近くもある袁紹と同じ戦い方をしていたら、同じように勝利することはできたのでしょうか。絶対にそんなことはないはずです。弱者が強者と同じ土俵で戦ったところで、負けることは火を見るより明らかです。

ビジネスに於いても全く同じことが言えます。弱者である中小企業が強者である大企業と同じ戦い方で戦うものなら、当然、資本体力のある強者に弱者は淘汰されていくでしょう。

「弱者の戦略」の事例

現代ビジネスにおいて、弱者の戦略はどのように活用されてきたのでしょうか。
ここでは事例を交えて解説したいと思います。

UNIQLO – 弱者の戦略で業界トップへ

すでに知らない人はいない、日本を代表するアパレルブランド。
今では国内シェア40%超えの強者です。

そのユニクロですら、今日の地位に至るまでに弱者の戦略をいくつも活用しています。

局地戦と一点集中で一気に全国展開

1984年、広島に第一号店をオープン。
華やかな柄や奇抜なデザインを避け、「ベーシックな服」に焦点を当てました。手頃な価格帯がユーザーにウケて、地域の支持を得ると一気に全国展開へと躍り出ます。

一点集中で競合他社と差別化

1994年、フリース販売開始。
「フリースといえばユニクロ」
競合他社との差別化に成功し、全国展開を果たしたユニクロが次に取った戦略は一点集中です。このフリースが爆発的なヒット商品となり、ユニクロの代名詞になりました。

陽動戦でユーザーの心を鷲掴みに

2003年、ヒートテック販売開始。
同業他社がフリースに目を向ける中、ユニクロが次に着手したのがヒートテックです。
暖かいインナーの登場は、ユーザーの心を鷲掴みにしました。

ユニクロは、今日の地位を築くまでに数々の挑戦と失敗を重ねていますが、常にユーザーが求める「差別化」を意識しているのが伺えます。

セイコーマート – 北海道という局地戦で大手と差別化

強者と同じ土俵で戦わない、北海道という局地戦で勝利した「セイコーマート」。

今も激しいシェア争いが続いているコンビニ業界。
セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社が全国各地で鎬を削る戦いを繰り広げる中、弱者の戦略で成功を収めたのが「セイコーマート」です。

セイコーマートは大手コンビニチェーンとの同じ土俵で戦うことを徹底的に避けることで、北海道という局地戦で圧倒的なシェアを獲得することに成功しています。

局地戦で大手チェーンと差別化

セイコーマートの最大の特徴は「北海道に特化した出店戦略」です。
セイコーマートは1176店舗もの店舗を構えていますが、そのうち92%が北海道に集中しています。商圏をむやみやたらに全国に広げるのではなく、北海道という局地戦で戦う戦略を選んだことで、大手チェーンとの差別化を図ることに成功しました。

北海道民をターゲットにした一点集中の商品ラインナップ

セイコーマートは、北海道民をターゲットにした「一点集中」の商品ラインナップも大きな特徴です。セイコーマートでは、北海道の地名を使ったドリンクやカップ麺、北海道限定ビールや地酒、北海道産原料の酒のつまみから北海道産の米など、北海道ブランドを中心として商品が展開されています。

ホットシェフの陽動戦で熱烈なセコマファンをつくる

セイコーマートには、店内の厨房で米を炊き、おかずやおにぎりを手作りし、できたて熱々のまま提供する「ホットシェフ」があります。効率を重視する大手チェーンに対し、あえて非効率なホットシェフ事業で差別化を図るセイコーマート。この取り組みが、熱烈なセコマファンを作る一大要素となっています。

まとめ

ランチェスターの「弱者の戦略」は、弱者が強者に勝つための戦略です。数的な不利を覆すためには、局地戦、一騎打ち、一点集中、接近戦、陽動戦などのあらゆる戦略を駆使し、差別化をしなければいけません。

戦いを制するための秘訣は「適切な戦略」を選ぶことにかかっています。
そして「適切な戦略」とは強者と同じ土俵で戦うことを避け、独自の価値を生み出す戦略のことです。

かつて曹操が少数兵力で官渡の戦いに勝利したように。
「弱者の戦略」を実践して、あなたの会社にしか出せない独自の価値で勝負してみてはいかがでしょうか。

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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