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2024.05.21|経営・マーケティング
『シンギュラリティが2045年頃に訪れる』-レイ・カーツワイル
アメリカの発明家であり実業家でもあるレイ・カーツワイル氏。AI研究の世界的権威として「シンギュラリティ(技術的特異点)」という概念を提唱したことで知られています。シンギュラリティとは、AIが人間の知性を超える転換点のこと。彼は、このシンギュラリティが2045年頃に訪れると予測しているのです。
シンギュラリティの未来では、例えば、AIが病気の診断や治療を高度化し、老化を克服するかもしれないと予測されています。また、AIが科学的発見を加速させ、宇宙の謎を解き明かす可能性すらあると言われています。ただ一方で、AIの発展によるリスクの声があるのも事実です。AIの能力が人の手に負えなくなったり、人間に悪用される可能性は否定できません。
そのような中、私たちが恐れているのは「AIによって仕事が奪われること」ではないでしょうか。
AIの進歩は目覚ましく、人の手で長い時間をかけて遂行した業務を1分もかからないうちに終わらせてしまう、ということが現実に起こっています。そしてそれは、マーケティングの世界も同様です。一部の企業では、AIを使って顧客一人ひとりのニーズを捉えた的確なアプローチを実現しています。
クラウドサービスの普及やAIツールの進化により、中小企業でも手軽にAIを導入できる環境が整ってきました。AIを活用することで、限られた予算や人員でも、大企業に引けを取らない高度なマーケティングを実現できます。
「AIが仕事を奪う」のではなく、「AIを使う人・企業がより多くの仕事を得る」時代になったのです。
目次
AIマーケティングとは、AIの力を借りてマーケティング活動の効率化や最適化を図る手法です。AI技術の飛躍的な革新により、企業はよりターゲットを絞った販促施策を展開し、一人ひとりの顧客に合わせたコミュニケーションを図ることができるようになりました。
AIマーケティングの具体的な活用例は多岐にわたります。例えば、AIを活用した行動ターゲティング広告では、顧客の閲覧履歴や購買履歴などのデータを分析し、その人に最も響くと思われる広告を自動的に配信します。これにより、広告の効果が格段に高まるうえ、無駄な広告費を削減できます。また、チャットボットによる24時間365日の顧客サポートもAIマーケティングの一例です。AIが顧客の問合せ内容を理解し、適切な回答を瞬時に提供します。そうすることで、顧客満足度の向上と業務の効率化を同時に実現できます。
こういったAIマーケティングの手法は、手作業では難しかった精度の高いマーケティングを可能にし、企業の競争力強化に大きく貢献します。
中小企業の経営者にとっても、AIマーケティングは見過ごせない戦略的ツールです。大企業と比べて予算や人員が限られる中小企業こそ、AIの力を活用するべきでしょう。AIマーケティングを導入することで、中小企業は大企業に負けない競争力を手に入れ、市場での優位性を高められます。
ただし、AIマーケティングを成功させるためには、ただ単にAIツールを導入するだけでは不十分です。自社のビジネスを最適化するAIの活用方法を明確にし、データ収集・分析体制を整備、社員のAIリテラシーを向上させることが欠かせません。AIマーケティングに取り組む際は、体制作りにも注力していきましょう。
日本企業のAI導入は世界的に見ても遅れているのが現状です。2024年1月にNRIセキュアテクノロジーズが日本と米国、オーストラリアの企業を対象に「生成AI(人工知能)サービスの導入状況」を調査。導入済みと回答した企業の結果は、日本が18.0%に対し、米国73.5%、オーストラリア66.2%と、大きく差が生じています。
日本企業の遅れの主な原因は、人材不足やコスト面での課題だと考えられますが、AIマーケティングの重要性に対する認識の低さも見逃せません。多くの日本企業がAIマーケティングの可能性を十分に理解していないことが、導入の障壁となっているのです。
一方、海外に目を向けると、AIマーケティングは急速に普及しています。例えば、米国では生成AI市場の規模が年々拡大しており、2030年までには337億8,000万米ドルに達すると予測されています。また中国でも、中国政府が生成AIの産業化を全面的に支援。これらの国々では、AIが競争力の源泉として認識され、積極的に導入が進められているのです。
これらの状況を踏まえ、私たちはAIの重要性を認識し、積極的にマーケティングに導入を検討すべき時期に来ています。AIの力を借りることで、限られた予算や人員でも、大企業に負けない効果的な販促施策を展開できるのです。
AIの力を借りる上で重要なのは、「AIにできること」と「AIにできないこと」を理解しておくことです。
第3次人工知能ブームが起こった2010年代。AIは、ビッグデータとディープラーニング技術により飛躍的な成長を遂げました。
2022年11月にはOpenAI社が「ChatGPT3.5」を発表しました。従来の大規模言語モデルは、少しチープさが感じられ、実用レベルには程遠いものでしたが、このGPT3.5は3,500億を超えるパラメーターからテキストを導き出し、より自然に近い文章生成へと進化。テキストの生成レベルは、もはや人が書いたものと判別するのが難しく、「AIによる文章生成かを判定するツール」も存在するほどです。また、AIで生成できるものはテキストだけに留まらず、画像、動画、音楽、そして資料やWEBページにまで及びます。
2024年2月にOpenAI社が発表した動画生成AI「Sora」も圧巻すべきクオリティでした。OpenAI社によると、「極めて詳細なシーンや、複雑なカメラモーション、そして感情を活き活きと描き出す複数のキャラクターが特徴」と述べており、東京の街を歩くおしゃれな女性の動画はX(旧Twitter)でも話題になりました。
また、伊藤園の「お~いお茶 カテキン緑茶」のTV-CMでは、日本初のAIタレントを起用しています。AIで生成された女性がお茶を飲むシーンは、実写と区別がつかないほどでした。
そして、2024年5月。満を持してOpenAI社が発表したのが「GPT-4o(オムニ)」です。これまでも評価の高かった「GPT-4」に対して、以下のような機能が追加になりました。
注目すべきは、制限付きではあるものの、無料で利用が可能になった点です。これにより、中小企業でもAIを導入するハードルが大幅に下がりました。コストの問題でAIの活用を躊躇していた企業では、まずは無料プランで試してみるのもいいでしょう。
ただし、当然ながらAIにもできないことは存在します。それこそが、私たち人間の存在意義を示す大切な要素であり、競争の激しい市場を生き抜くためのカギになるのです。
まず、AIには真の意味での創造性はありません。AIは膨大なデータから学習し、パターンを見つけ出します。しかし、人間のような直感や飛躍的な発想は苦手です。また、AI自ら新たな価値を生み出すこともできません。世界を変革するようなイノベーションは人間の独創性から生まれるものなのです。
次に、AIは人間の感情を深く理解し、共感することはできません。相手の立場に立って考え、思いやりを持って接することは、人間ならではの強みです。ビジネスの世界でも、顧客や仲間との信頼関係を築くために、感情的な知性は欠かせません。
加えて、AIには倫理観や道徳心がありません。あくまでも与えられた目的に沿って動作するだけです。何が正しく、何が間違っているのか。その判断は、人間の価値観に基づくものでなければなりません。AIをコントロールし、倫理的な方向性を示すことは、人間に課せられた重大な責務なのです。
そして、生きる目的や価値観、体験からくる失敗や感動などは、人間一人ひとりが自ら探求し、見つけ出すものです。
AIマーケティングの導入は、業界や企業規模を問わず、大きな効果を生み出しています。
ここでは、KFC(ケンタッキーフライドチキン)、Netflix、Coltテクノロジーサービスという異なる業界の事例を紹介します。AIを活用することで、顧客満足度の向上、業務効率化、売上アップなどの成果を上げていることがわかるはずです。
KFCは、フライドチキンを中心とした独自のメニューで知られる世界的な大手ファストフードチェーンです。
同社では、SNSに特化したAI搭載の運用ツールを導入しています。口コミやハッシュタグ、アカウント分析、テキストマイニングをAIで行うことで、SNSでの話題作りに成功しています。流行に乗った投稿をタイムリーに行ったり、バズを継続させるためのタイミングを狙った投稿をしたりすることにAIを上手く活用しています。それにより、SNSから多くのファンを獲得しました。
Netflixは、 世界最大の定額制動画配信サービスを手がけ、オリジナルコンテンツの制作にも力を入れています。
同社では、AIに有料会員ユーザーの視聴履歴や視聴速度、デバイス、時間帯などの情報と、作品の監督やキャスト、脚本などの情報を組み合わせて分析。その結果を、個々のユーザーへのレコメンド提供やオリジナルコンテンツの制作案に反映させています。そうすることで、顧客満足度の向上と契約継続率の改善を実現しました。
Coltテクノロジーサービスは、イギリスの通信事業者Coltグループの日本法人です。データセンターやネットワーク回線の提供を行っています。
同社では、顧客リスト、売上情報、提供サービス、報道記事、財務情報、アナリストの分析情報など、さまざまなデータをAIエンジンに取り込み、顧客を3つのセグメントに分類しました。この分析結果をもとに、各セグメントに適したアプローチを行うことに成功。その結果、案件規模が前年よりも大幅に拡大したのです。
これらの事例は、AIマーケティングが大きな成果を上げていることを示しています。AIマーケティングは、規模や業種に関わらず、競争力強化と成長のための重要な戦略ツールとなりつつあるのです。
AIマーケティングは、中小企業にとって大きなチャンスをもたらす革新的な手法です。今こそ、その可能性に目を向け、AI活用への検討を進めることが求められています。
すでに、AI搭載のチャットボットが顧客とのコミュニケーションを24時間365日担ったり、顧客の行動データを分析し最適なタイミングでオファーを提示したりしています。今後もAI技術の発展に伴い、より高度な顧客分析や予測が可能になるでしょう。今よりもさらに、マーケティングの精度や効率が飛躍的に向上することが期待されています。
私たちは、AIマーケティングを戦略的に取り入れることで、大企業に負けない競争力を手に入れることもできるのです。
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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