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2024.07.02|経営・マーケティング
「バズる」-SNS上で爆発的に拡散され、多くの人の注目を集める現象です。この言葉は、英語の「buzz」が語源で、「ハチがブンブン飛び回る音」「人がざわめく様子」を意味します。短時間で何万、何十万もの「再生回数」や「いいね」、「シェア」を集め、企業の知名度を急上昇させる魔法のような現象。この「バズる」が、企業のSNSマーケティング戦略を席巻しています。
しかし、やみくもに「バズる」ことだけを目指した投稿をすればよいのでしょうか?
確かに、急速性や自発性を特徴とする「バズり」は、ブランドの認知度向上や潜在顧客の獲得に大きな効果をもたらします。一方で、その一時性ゆえに長期的な成功につながりにくいという特性もあるのです。
本記事では、YouTubeでバズった大塚製薬「ポカリスエット」の驚異的なSNS戦略から、SNSマーケティングとは何なのかを紐解きます。大手企業のような派手な話題作りはできなくても、中小企業だからこそできる独自の「バズり方」があるはずです。
勝負できるSNSプラットフォームはひとつだけではありません。X(旧Twitter)やInstagram、YouTube、TikTokなど、各プラットフォームの特性を活かし、自社の強みを最大限に引き出す戦略を練ること。目的を明確にし、ターゲットを狙った情報発信を行うこと。それこそが中小企業が取るべきSNSマーケティングなのです。
目次
SNSマーケティングとは、X、Instagram、YouTube、TikTokなどのソーシャルメディアのプラットフォームを活用するマーケティング活動です。SNSを通じて、商品やサービスの宣伝、ブランドの認知度向上、そして(潜在・既存)顧客とのコミュニケーションを図ります。
この活動の効果を如実に示す成功例が、今回紹介する大塚製薬「ポカリスエット」のSNS戦略です。ポカリスエットの戦略は、若者の心に響くコンテンツ作りで大きな「バズり」を生み、成功を収めました。
ポカリスエットのSNS戦略の狙いは、ズバリ「若者の日常や感情に寄り添うこと」。例えば、受験生を応援するキャンペーンや、青春の一コマを切り取ったような爽やかな動画の投稿など、若者の共感を呼ぶコンテンツを大々的に展開しました。YouTubeでは、ポカリスエットのCM動画が数百万回以上再生され、TikTokではそのCMのメイキング映像が公開され話題を呼びました。
さらに、ポカリスエットは一貫したブランドイメージの構築にも成功しています。SNSのプラットフォームを覗くと、パッと目に飛び込んでくるのは鮮やかな青と白の色調に、躍動感あふれる高校生の姿。爽やかさ、清涼感、若々しさといったキーワードを軸に、全てのSNS投稿が統一されています。これにより、消費者の記憶に残りやすいブランドイメージを確立したのです。
また、ポカリスエットはタイムリーな話題作りも巧みです。季節の変わり目や、受験シーズン、スポーツ大会など、その時々のホットトピックに合わせた投稿を行い、常に「今」を意識したコミュニケーションを心がけているのもファン作りに一役買っています。
では、大塚製薬のような大手企業でなく、中小企業がSNSマーケティングに取り組むメリットとは何なのでしょうか。
まず挙げられるのは、コストパフォーマンスの高さです。テレビCMや新聞広告と比べ、SNSでの広告や投稿は圧倒的に低コストで行えます。さらに情報の拡散力も高いため、限られた予算で効果的なマーケティングを行いたい中小企業にとって、大きな魅力と言えるでしょう。
次に、ターゲット顧客との直接的なコミュニケーションが可能になること。SNSでは、顧客からの質問やコメントにリアルタイムで応答できます。この双方向のコミュニケーションは、顧客との信頼関係の構築に大きく貢献し、ロイヤルカスタマーの獲得につながります。
さらに、SNSを活用することでブランドの認知度を大幅に向上できます。顧客のニーズを満たす投稿を繰り返すことで、フォロワー数が増加。その結果、自社ブランドの露出を効果的に増やせるのです。地域に根ざした中小企業にとっては、地元顧客へのリーチを広げる絶好の機会となります。
ポカリスエットの例は大企業のものですが、その戦略の本質は中小企業でも十分に活用できます。例えば、職人技を活かした製品の製作過程を動画で紹介したり、地域への貢献活動をSNSで発信したりすることで、独自の魅力を伝えることができるでしょう。
ここでは、主要なSNSプラットフォームの特徴と、中小企業がそれらを活用する方法について紹介します。
Xは幅広い年齢層に利用されており、特にニュースや最新情報に敏感なユーザーが多いのが特徴です。中小企業にとって、Xは迅速な情報発信と顧客との対話に最適なプラットフォームです。
例えば、新商品のリリース情報や限定セールの告知をリアルタイムで発信することで、即座に顧客の反応を得られます。また、顧客からの質問や意見に素早く返答することで、親密な関係を構築できます。地域密着型の企業であれば、地元の話題やイベント情報を共有することで、コミュニティとの繋がりを深めることもできるでしょう。
Instagramは、ビジュアルを重視するプラットフォームで、主に若年層から30代のユーザーに人気があります。中小企業にとって、Instagramは商品やサービスの魅力を視覚的に訴求する最適な場となります。
例えば、商品の美しい写真や使用シーンを演出した画像を投稿することで、顧客の購買欲を刺激できます。また、Instagramのストーリーズも見逃せない機能です。日々の業務の様子や従業員の紹介を行うことで、企業の人間味ある側面を見せることができます。
YouTubeは若年層から中高年層まで、幅広い年齢層に利用されています。中小企業にとって、YouTubeは商品やサービスの詳細な紹介や、使用方法の説明に最適です。
例えば、自社製品の特徴や使い方を丁寧に解説する動画を制作することで、潜在顧客の疑問を解消し、購買意欲を高めることが可能です。また、自社の職人技や製造過程を紹介する動画は、ブランドの信頼性向上に繋がります。さらに、業界のトレンドや専門知識を共有する教育的なコンテンツは、視聴者に価値を提供しながら、自社の専門性をアピールする絶好の機会となります。
TikTokは主に10代から20代の若年層に支持されており、短尺の動画コンテンツが特徴です。中小企業にとって、TikTokはトレンドの発信やバイラル効果(口コミ効果)を狙うのに適しています。
例えば、自社製品を使った面白いチャレンジを企画し、ハッシュタグをつけて投稿を呼びかけることで、ユーザー参加型のキャンペーンを展開できます。また、業界の裏側や、普段見られない製造過程などを15秒程度の動画にまとめて投稿すると、若年層の興味を引くことができるでしょう。
ここまで主要なSNSのプラットフォームを紹介してきましたが、私がお伝えしたいのは「ただ単にSNSを使えば良いというわけでは無い」ということです。重要なのは、プラットフォームごとの特性をよく理解すること。「どのターゲットに何を訴求するのか?」これだけでも使うべきプラットフォームは絞られるでしょう。
例えば最新のテクノロジーを扱う企業であれば、Xで迅速な情報発信を行い、自社の存在感をアピールするといった具合です。また、複数のプラットフォームを連携させることで、相乗効果も期待できます。継続的な運用と分析を行いながら、徐々に活動範囲を広げていくのがいいでしょう。
大塚製薬の「ポカリスエット」以外にも、SNSの成功事例は数多く存在します。 ここでは、SNSマーケティングの力を最大限に活用している企業の成功事例を紹介します。
老若男女に愛される洋菓子チェーン「シャトレーゼ」。主にXやInstagramを活用し、Xのフォロワー数は62万人を超えています。(2024年6月時点)
投稿はほぼ毎日行われ、季節限定商品や新作の情報を発信しています。人気商品の紹介から始まり、記念日などにピッタリな新商品の情報、おいしい食べ方の提案まで。さらに、フォロー&リポストキャンペーンや写真投稿コンテストなど、ユーザー参加型の企画も頻繁に実施しています。
これにより、ファンと口コミを増やし来店を促進することに成功。その結果、SNSフォロワー数の増加、ブランド認知度の向上、顧客とのコミュニケーション強化、そして商品への興味喚起と購買意欲の向上につながっています。
カインズは、日本全国に250以上の店舗を展開する大手ホームセンターチェーンです。そんなカインズのSNSマーケティングは、フォロワー数53万人を超えるInstagramです。(2024年6月時点)
カインズの投稿は、商品単体の写真や紹介だけでなく、実際の使用シーンや組み合わせ例を紹介し「使用感を想像」させるもの。中には再生回数が400万を超えるものもあり、ユーザーからのコメントにも丁寧に対応しています。
カインズのSNS戦略の成功は、単なる商品宣伝ではなく「ファンのライフスタイルに価値を提供する姿勢」にあると言えるでしょう。商品の紹介、実用的な情報などを巧みに組み合わせることで、フォロワーのエンゲージメントを高め、ブランドロイヤリティの向上につなげているのです。
本記事で紹介したSNSマーケティングの成功事例や活用法を通じて、その可能性の大きさを感じていただけたと思います。SNSマーケティングは、もはや中小企業にとって「選択肢」ではなく「必須」の戦略と言っても過言ではないでしょう。
重要なのは、「持続可能で成長につながるSNS戦略」です。ポカリスエットのような大規模な「バズり」を目指すのもいいでしょう。しかし、自社の強みを活かした「独自の小さなバズり」の積み重ねも、大きな成果をもたらします。
SNSマーケティングに完璧を求める必要はありません。まずは、各プラットフォームの特性を理解し、自社に最適な戦略を立てるところから始めましょう。まずは小さな「バズり」を目指し、コンテンツを発信し続けることが、自社のSNS戦略の成長につながるのです。
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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