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従業員の幸福度が業績を左右する!?ウェルビーイング経営で築く強い組織

2025.06.25経営・マーケティング

人手不足が深刻化する中、優秀な人材の確保と定着は企業の生命線となっています。「働かせる経営」から「働きやすさや働きがいを追求する経営」への転換が求められる現代においては、従業員の幸福度こそが企業の競争力を決定づける要因となっているのです。

では、どうすれば従業員が生き生きと働き、それが業績向上につながる組織を作ることができるのでしょうか。その答えが「ウェルビーイング経営」にあります。

ウェルビーイング経営とは何か?基本概念と効果を理解する

ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的に良好な状態を指す概念です。これまで企業が備えてきた福利厚生が「不満を減らす」ことに重点を置いていたのに対し、ウェルビーイング経営は「満足度を高める」ことを目標とする点で大きく異なります。病気がない状態を超えて、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、やりがいを感じながら働ける状態を目指します。

近年、多くの企業がウェルビーイング経営に注目しています。その大きな理由は、従業員の幸福度が向上することで、離職率の大幅な改善が期待できるからです。例えばグループウェアを提供するサイボウズでは、2005年頃の離職率が28%だったところから、柔軟な働き方の導入や斬新な人事制度設計などウェルビーイング施策に取り組み続けた結果、現在は1桁台まで改善した という報告があります。人材採用コストが年々上昇する中で、既存従業員の定着率を向上させることは、経営へのインパクトが非常に大きいと言えます。

また、オックスフォード大学の研究では、幸福度の高い従業員は13%生産性が高く、売上でも優れた成果を示すことが明らかになっています。これは、ストレスが軽減され集中力が向上することに加え、自発的な改善提案や創造的なアイデアが生まれやすくなるためです。

特に重要なのは、ウェルビーイング経営が企業ブランディングにもたらす効果です。「働きやすい職場」「働きがいのある職場」として認知されることで、求人への応募者数が増加し、より優秀な人材を採用しやすくなります。特に大企業と比較して給与面で劣ることの多い中小企業にとっては、働きやすさや働きがいは重要な差別化要因となるのです。

成功企業に学ぶ、ウェルビーイング経営の実践例

実際にウェルビーイング経営を実践している楽天グループの取り組みを紹介します。

楽天では、「コレクティブ・ウェルビーイング」 という独自のコンセプトを提唱し、組織全体でウェルビーイングを追求しています。このコンセプトの中核となるのが「三間(さんま)と余白」という考え方です。

「三間」とは「仲間」「時間」「空間」の3つの要素を指し、それぞれに「余白」を設けることで、従業員が本来持つ能力を持続可能な形で最大限に発揮できる環境づくりを目指しています。

「仲間」の設計と余白

従業員同士をつなぐ工夫のことです。多様な価値観を持つメンバーが自然に交流できる機会を提供し、1on1ミーティングでの対話や、チームを超えた雑談の時間を意識的に設けます。業務連絡を超えた人と人とのつながりを深める取り組みです。

「時間」の設計と余白

例えば、会議と会議の間に適度な休息時間を確保し、計画的な休息やオン・オフの切り替えができる環境を整備するなどを指します。特にオンライン会議が増えた現在、意識的に時間の「余白」を作ることで、従業員の集中力維持とストレス軽減を図ります。

「空間」の設計と余白

多様な働き方や状況に対応できる場所の選択肢を豊富に用意し、リラックスして心身を休められるスペースも充実させます。従業員が「自分の居場所を確保できる」「スイッチの切り替えができる」「居心地の良さを感じられる」環境づくりを重視した取り組みです。

この「三間と余白」の考え方は、企業規模を問わず応用可能です。従業員同士のつながり、時間の使い方、働く環境それぞれに「余白」を意識することで、創造性とイノベーションを生み出す源泉を作ることができるのです。

無理なくウェルビーイング経営を始めるための4つのステップ

ウェルビーイング経営を成功させるためのポイントは、計画的に導入することです。以下の4つのステップに沿って、段階的に取り組むことをおすすめします。

Step1:現状把握と課題整理

まず従業員の満足度と組織の現状を正確に把握することから始めます。アンケート調査や個別面談を通じて、従業員が何にストレスを感じ、どのような改善を望んでいるかを把握します。同時に、過去1年間の離職理由を分析し、改善すべき優先課題を明確にします。このステップで重要なのは、経営者の主観で捉えるのではなく、従業員の生の声に耳を傾けることです。

Step2:優先順位をつけて施策を選定する

把握した課題に対して、予算と効果のバランスを考慮しながら施策を選定します。即効性のある取り組みとして、職場環境の改善や小さな福利厚生の充実から始めることが効果的です。一方で、人事制度の見直しや研修体制の構築など、中長期的な効果を狙う施策も並行して計画していくといいでしょう。予算が限られる中小企業においては、従業員のニーズと投資対効果を慎重に検討し、最も効果の高い施策から着手することが成功の鍵となります。

Step3:小さく始めて効果測定する

選定した施策をいきなり全社展開するのではなく、まず一部署や一部の職種でパイロット導入を行います。このステップで重要なのは、定量的な指標と定性的な指標を設定し、効果測定を行うことです。PDCAサイクルを短期間で回し、必要に応じて施策の調整を行うことで、より効果的な取り組みへと発展させていきます。

Step4:組織全体への展開と定着化

パイロット導入で得られた成功事例を社内で共有し、全社展開を図ります。この際、管理職層の理解と協力を得ることが最も重要です。管理職向けの研修を実施し、ウェルビーイング経営の意義と具体的な実践方法を共有します。また、継続的な改善体制を構築し、従業員からの提案を積極的に取り入れる仕組みを作ります。一過性の取り組みではなく、企業文化として根付かせることが定着へのポイントとなります。

経営者が陥りがちな落とし穴と成功のポイント

ウェルビーイング経営の導入において、多くの経営者が陥りがちな失敗パターンがあります。最も多いのは、表面的な施策だけで終わってしまうケースです。おしゃれなオフィス環境を整備したり、福利厚生を充実させたりするだけでは、根本的な組織の問題は解決されません。

また、トップダウンで一方的に施策を押し付けてしまうことも失敗の原因となります。経営者が良かれと思って導入した制度が、現場の従業員にとっては負担になってしまうケースは少なくありません。従業員との対話を重視し、現場の声を施策に反映させることが成功への近道です。

短期的な効果を求めすぎることも危険です。ウェルビーイング経営は、従業員の意識や行動の変化を促す取り組みであり、効果が現れるまでには一定の時間が必要です。数か月で結果が出ないからといって諦めてしまうのではなく、長期的な視点で継続的に取り組むことが大切です。

また、何よりも重要なポイントは、経営者自身のマインドセットを変革することです。従業員のウェルビーイング向上施策を「コスト」ではなく「投資」として捉え、長期的な企業価値向上を見据えた戦略的な取り組みとして位置づけることが大事になってきます。

さらに、他社の成功事例をそのまま真似するのではなく、自社の企業文化や従業員の特性に合わせたオリジナルの取り組みを開発することが重要です。中小企業であっても、従業員一人ひとりの顔が見える規模だからこそできる、きめ細やかな対応を心がけることで、大企業では実現困難な独自のウェルビーイング経営を実現できるでしょう。

まとめ

ウェルビーイング経営は、福利厚生の充実というだけではない、企業の持続的な成長につながる戦略的な経営手法です。人材の確保と定着が企業の競争力を左右する現代において、従業員が生き生きと働ける環境づくりは必要不可欠な投資といえるでしょう。

重要なのは、完璧を求めすぎず、小さな一歩から始めることです。従業員との対話を大切にし、現場の声に耳を傾けながら、自社らしい取り組みを継続的に発展させていくことが成功への鍵となります。今日からでも始められる小さな改善から、ウェルビーイング経営への第一歩を踏み出してみませんか?

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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