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背伸びしない発信がブランドを強くする!中小企業の等身大ストーリーテリング術

2025.09.10経営・マーケティング

多くの経営者が、競合他社との差別化に頭を悩ませています。特に中小企業では、大企業のように十分な資金や高い知名度がないため、販促や集客、採用の場面で、人手不足もあいまって苦労することが少なくありません。

こうした状況だからこそ、中小企業に特に有効な情報発信の方法があります。それが「等身大のストーリーテリング」です。飾らず本当の姿を伝えることで、お客様の心をつかみ、優秀な人材を引き寄せ、社内の結束力も高めることができます。

中小企業ならではの「お客様との距離の近さ」や「柔軟に対応できる小回りのよさ」を活かしたストーリーテリングは、大きな力を発揮します。お客様との関係づくり、人材の確保、社内のまとまりなど、さまざまな面でプラスの効果が期待できるでしょう。この記事では、なぜ等身大のストーリーが人の心を動かすのか、そして具体的にどのように実践すればよいのかを、詳しく解説します。

なぜ「等身大」のストーリーが人の心を動かすのか

現在の消費者や求職者、そして従業員が企業に求めるものは、昔とは大きく変わっています。情報があふれる時代だからこそ、企業の「正直さ」や「親しみやすさ」を重視する人が増えているのです。きれいに作り込まれた企業イメージよりも、ありのままの姿を見せてくれる会社に、人は好感を抱きます。

大企業の発信するメッセージは洗練されて整っていますが、時には「きれいすぎて現実味がない」と受け取られることもあります。一方で、中小企業が不慣れながらも伝えるありのままのストーリーには、温かさや人間味が感じられます。身近で具体的な話こそ、人の心に深く響くのです。

また、「人との距離の近さ」も、ストーリーを伝える上で大きな強みになります。社長とスタッフの距離が近く、お客様との関係も深いからこそ、一人ひとりの顔が見える話を届けられるのです。この親しみやすさは、大企業には真似できない魅力といえるでしょう。

ストーリーテリングによって築かれた信頼は、短期的な関係にとどまらず、長期的なお付き合いへとつながることもあります。消費者として、ある商品(サービス)の背景にあるストーリーを知ることで、「この会社の商品(サービス)をずっと使い続けたい」と感じた経験がある人も少なくないでしょう。

同じように、ストーリーを知ることで、求職者は「ここで働きたい」という意欲を持ち、スタッフは「この会社で頑張ろう」という誇りを感じるようになります。

中小企業が伝えるべき「リアルな魅力」の見つけ方

ストーリーテリングの効果は理解できたとしても、ではどのように始めればよいのでしょうか。まずは、自社の中にある「本当の魅力」を見つけることから始めるのがポイントです。自分たちでは当たり前だと思っていることの中に、他社にはない価値が隠れていることは少なくありません。まずそれを見つけることが、効果的なストーリーテリングへの第一歩となります。

たとえば、次のような視点で自社ならではの特徴を見直してみてください。

創業や継承の経緯

創業のきっかけや事業を受け継いだ経緯は、会社の根幹となる重要な要素です。なぜこの仕事を始めたのか、どのような想いで会社を立ち上げたのか、先代の考えを今にどう活かしているのか。こうした背景は、「会社がなぜ存在するのか」「何を大切にしているのか」を伝える手がかりになります。また、創業時の苦労や失敗、そこから得た学びや体験談があれば、今の会社の文化や強みがどこから来ているのかも、より具体的に伝えることができます。

日常の業務から生まれるエピソード

お客様の困りごとを解決した話や、叱責を真剣に受け止め改善につなげた話、プロジェクトの締め切りに向けて社員全員で取り組んだ話、地元のイベントやお祭りに参加した話、偶然の出会いから新しいアイデアが生まれた話など。日常業務の中で「当たり前」と流してしまいがちな出来事にこそ、会社の姿勢や文化を示す魅力が隠れています。

人の成長にまつわるエピソード

スタッフ一人ひとりの成長の物語を伝えることは、採用候補者の関心を引く上で非常に効果的です。入社時に未経験だったスタッフがどのように成長したのか、どんなサポートを受けて専門知識を身につけたのか、失敗から何を学びどう立ち直ったのか。こうしたエピソードは、これから働きたいと考えている人が自分の将来をイメージするための大切な情報となります。

変化や改善の取り組み

社内制度の整備や生産性向上の取り組みも、会社の成長力や柔軟性を示す重要なエピソードになります。例えば、従業員の働き方を見直して制度を改めたことや、新しい技術の導入、組織体制の変更によって生産性や提供価値を向上させたことなどです。一見社内的で、発信するほどのことではないと思える内容にも目を向けてみましょう。変化に対応する会社の姿勢は、求職者や現スタッフだけでなく、投資家や金融機関にとっても魅力的に映ります。

ストーリーテリングの実践方法

自社の魅力を見つけられたら、次はストーリーテリングの実践に移ります。ありのままのストーリーを効果的に伝えるために最も大切なのは、「等身大に感じてもらう」ことです。完璧すぎる話ではなく、人間味があり、親しみやすく、「自分にも関係がある」と思ってもらえるような内容を伝えることを意識しましょう。

等身大のストーリーテリングの基本原則

代表的なポイントは、「失敗」や「迷い」を含めることです。成功だけでなく、途中でつまずいたことや迷ったこと、うまくいかなかった部分も正直に伝えることが大切です。たとえば、「最初はお客様の要望をうまくくみ取れず、何度も話し合いを重ねました」「新しいシステムの導入で、スタッフ全員が戸惑っていました」といった人間らしいエピソードがあると、聞き手に親近感を与えられます。

さらに、具体的な数字や期間を示して現実感を出すことも効果的です。また、ストーリーテリングでは専門用語や堅い表現を避け、普段の会話で使うような自然な言葉で語ることを意識しましょう。

ストーリーテリングの基本構成パターン

ストーリーテリングの基本形は、「導入」「展開」「転機」「結果と学び」の4つのパートで構成されます。

導入
何かを行う前の状況や設定を説明する部分です。「ある日の午後、お客様から一本の電話がありました」「入社したばかりの○○さんが困った顔で相談に来たのは…」のように、誰にでも起こりそうな日常の場面から始めます。

展開
悩みや課題を語る部分です。「これまでのやり方では限界を感じた」「チーム内でも意見が分かれた」など、完璧ではない状況を描きます。ここで大切なのは、問題を大げさに表現しないことです。過剰な演出は読者に気づかれ、信頼を損なう原因になります。

転機
小さなきっかけや気づきを描く部分です。状況を一変させるような劇的な解決策ではなく、身近なところにあった小さな気づきを示すことで、企業の日常的な努力やリアルな姿が伝わります。

結果と学び
成果や、その経験から得た率直な感想をまとめます。うまくいかなかった話や、まだ解決していない課題についても率直に触れることで、より人間味あふれる魅力的な会社として印象づけられます。

重要なのは、ストーリーテリングは継続することで効果を発揮するという点です。完璧なストーリーを目指すより、素直で正直な内容を無理なく継続的に伝えることが、長期的には大きな信頼につながります。月に1~2本程度、無理のないペースで発信することを心がけましょう。

ストーリーテリングがもたらす長期的な企業価値

継続的にストーリーを発信することで、自社らしいブランドが育ち、他社との差別化が明確になります。社内でも理念や価値観が浸透し、スタッフの誇りややる気につながります。もちろん、お客様との深い信頼関係も自然に築かれていきます。飾らないストーリーは人の心に残るため、口コミなどで広がることもあります。これは、お金だけをかけた広告では得られない、本当の信頼関係と言えるでしょう。

大切なのは、完璧な姿を演出しようとしないことです。失敗や迷いも含めたありのままの姿を伝えるからこそ、人々の共感を呼びます。まずは、自社にある小さなエピソードを見つけ、一つずつ丁寧に伝えていくことから始めてみてください。月に1本でも十分です。続けることで、新たな魅力に気づけるはずです。

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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