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校長先生の話から読み解く「感情に訴えかける言葉の力」

2023.07.08ライティング

まだ小学生のころ、急に体調を崩して寝込んだときに、母親がずっと看病をしながら「すぐ良くなるからね。大丈夫よ。」と声をかけてくれていました。

この何気ない言葉にすごくホッとして、嬉しかったのを今でも覚えています。

しかし、もしも母親の言葉が「風邪菌もらってちょっと熱が出てるだけ。解熱剤を飲んだら1時間後には体調良くなるから大丈夫よ。」と言われたらどうでしょう。

確かにその通りなのかもしれませんが、ホッとした気持ちにはならないですよね。これが、人の感情に訴えかけているか・いないかの違いだと思っています。

ビジネスシーンでも、感情に訴えかける言葉を使うかどうかで、人材育成で成果がでたり、営業がうまくいったりします。つまり、言葉一つで成果に影響するのです。

そこでこの記事では、知性ではなく、感情に訴えかける言葉の力の秘密に迫って行きたいと思います。

校長先生の話はなぜ長く感じるのか?

”小学生のころ、全校集会で体育館に集まり、壇上で校長先生が話をする。最初は、しっかり校長先生の方を向いて聞き耳を立てていたが、すぐに集中力が無くなり別のことを考えてしまっている。そして、いつ終わるんだろうかと飽き飽きして、時間にしたら5分10分が1時間以上に感じる。”

このように「校長先生の話ってなんで長いの?」って感じていた人は、少なくないでしょう。もちろん校長先生全員がつまらないわけではなく、話が長いなと感じる校長先生の話がつまらないということです。

長く感じる校長先生の話は、「感情に訴えかける言葉」とは対極ではないかと思います。子供たちの心に響いておらず「面白い」「続きが気になる」「なんで?」などの感情が生まれていないからです。

心に響かない理由には、以下のようなことが考えられます。

  • 子供たちに理解できる内容ではなかった
  • 子供たちが興味を持つ内容ではなかった
  • 論理性を重視して話されていた
  • 台本を読むだけ など

子供たちの立場で、聞き手の感情に訴えかける内容や言葉になっていないのです。

そもそも「感情に訴えかける」とは?

「感情に訴えかける」とは、論理的に頭で考えたり理性で判断したりするのではなく、心が動かされる状態のことを指します。

喜び・共感・感動・不安・悲しみ・嫌悪・驚き

このような、人の持つ感情に影響を与えるわけです。

「校長先生の話」の例では、子供たちの心に訴えかけるような内容や話になっていなかったからこそ、心が動くことなく話が長いと感じてしまうのでしょう。

人の感情に訴えかける言葉の力

感情に訴えかける言葉には、以下のような力があります。

  • 記憶に残りやすい
  • 自らの考えや気持ちに変化が起きやすい

それぞれ詳しく解説します。

記憶に残りやすい

理屈で考えるのではなく、感情に訴えるからこそ、記憶に残りやすくなります。

あなたも一度目を瞑って思い浮かべてみてください。

「好きな映画のなかで、最も心に響いたセリフ」と「好きな映画の冒頭数分間のナレーションやセリフ」

きっと思い出せるのは、前者ではないでしょうか。

喜び・共感・感動・不安・悲しみ・嫌悪・驚きのような、感情に訴えかける言葉は、記憶に残りやすいです。

記憶に残るから、あらゆる場面で思い出せて、何度も思い出すからこそ自らの気持ちに変化が現れます。

自らの考えや気持ちに変化が起きやすい

感情に訴えかけることで、人は心が揺らぎ、考えをめぐらせ、行動に大きな変化を与えられます。

人は、心が動かされると、実際に行動に移しやすくなるのです。

例えば、小学生の子供に対して「勉強しなさい」といっても、素直に机に向かってくれないことが多いでしょう。

それは子供の感情に訴えられていないからなのです。「〇〇しなさい」は、命令であり、行動の自由を奪う言葉です。子供は命令や指示に反発することが多いので、「勉強しなさい」と言われると、心に響かず逆効果になってしまいます。

だから、子供心に「勉強すると褒められて嬉しい」や「勉強した成果が嬉しい結果に結びついた」など、「嬉しい」や「楽しい」と感じられる言葉をかけてあげることが重要です。

大人でも同じで、説得する言葉や命令口調には、本心から納得するケースは少ないのではないでしょうか?

論理的な言葉を並べて説得するのではなく、感情に訴えかける言葉で納得してもらうことが重要です。ビジネスでもプライベートでも、人生をより良い方向に進めるには、人の感情に訴えかける言葉は必要不可欠といえます。

感情に訴えかける言葉を使うために大切なこと

人の感情に訴えかける言葉に、正解はありません。

話し言葉でも書き言葉でも、伝えた内容によって人の心が動けば、感情へ訴えかけていると言えます。

感情に訴えかける言葉を使うには、大切な3つのことがあるので紹介します。

ターゲットを明確にする

ターゲットとは、「誰に対して言葉を投げかけるのか」ということです。

ターゲットが明確でなければ、伝える内容が定まらず、聞き手・読み手の心情がイメージできません。「なるべく多くの人に届けたいから」とターゲットを絞らないのは、結局誰の心にも響かない言葉になってしまいます。

特定の人に対して、その人の感情を想像して投げかけるからこそ、心に響く言葉になるのです。

嘘偽りのない、自分の言葉で伝える

言葉の信頼性も非常に重要です。

自分の経験や考えから生まれる言葉には、相手の心を動かす納得感があります。

しかし、他人の言葉を使ったり嘘の内容を並べて伝えたりしても、人の心には響きません。

自分の心が動いた瞬間・嬉しいと思った場面・悔しさを乗り越えた時など、自分が実際に感じたことを熱く伝えるからこそ、人の感情に訴えかけられるのです。

伝え方を工夫する

伝え方の工夫は、人の感情に訴えかける際の重要なテクニックです。

例えば、人の心理をついた言葉を使ってみたり、ストーリー仕立てで記憶に残りやすい言葉を考えてみたり。

人の心理をついた言葉の一例として、オノマトペという擬態語があります。

具体的には、キラキラ・グラグラ・ワンワン・ワクワクなど、音によって物や状態を表す言葉のことです。オノマトペを使うと、聞き手・読み手はイメージを作りやすくなります。このように、人の心理を理解して言葉を選ぶことで、理屈ではなく人の感情に訴えかけることが可能です。

感情に訴えかける言葉の例

感情に訴えかける言葉の例として、以下の2名の言葉を紹介します。

  • マーティン・ルーサー・キング
  • マーク・ザッカーバーグ

聞き手の感情を揺さぶる彼らの言葉は、決して机上の空論でも嘘偽りでもなく、彼らの経験や本心からくるものだと感じられます。

マーティン・ルーサー・キングのスピーチ

“I Have a Dream.”
(私には夢がある)

このフレーズを、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

黒人の人権と公民権運動の指導者として活動した、マーティン・ルーサー・キング(以下、キング牧師)の言葉です。

キング牧師は、幼少期から黒人というだけで人種差別を受け、大人になってからも差別は続き、自由のない生活を送っていました。そんなキング牧師は、抗議活動を地道に続け、1963年8月28日にワシントン大行進に集結した25万人近い人々にむかい、「I Have a Dream」という演説を残したのです。

キング牧師は、民族や人種の壁を無くしすべての人に自由と民主主義を求めて、スピーチを行いました。結果、当時のニクソン大統領にもキング牧師の言葉が届き、公民権法が制定されました。アメリカという国が人種差別撤廃に向けて動き始めた瞬間です。

黒人として声をあげたことで、同じように人種差別を受けて苦しんでいた人の光になったことでしょう。そして、自国のトップにまで感情を揺さぶる言葉が届き、国を動かしたのです。

マーク・ザッカーバーグのスピーチ

世界最大のユーザー数を誇るSNSのFacebook。その創設者であるマーク・ザッカーバーグは、2017年のハーバード大学の卒業式にて、卒業生の心に響くスピーチを残しています。

スピーチのテーマは、「誰もが目的意識を持って、世界を作って行くこと」でした。そのスピーチのなかでも印象深い言葉がこちら。

“The greatest successes come from having the freedom to fail.”
(偉大な成功は 、失敗する自由から生まれる)

この言葉は、まさしくザッカーバーグ本人がさまざまな失敗を重ね、Facebookを作り上げてきたからこそ出てくる言葉でしょう。挑戦することに恐怖や不安を感じ踏みとどまっている人にとっては、非常に勇気をもらえる言葉になったはずです。

成功をつかむには失敗はつきものであり、失敗を含めてとにかくチャレンジした先に手に入れられると読み取れます。言葉の解釈は人それぞれ異なりますが、マーク・ザッカーバーグの言葉によって、勇気をもらい一歩前へと進めた人は多いでしょう。

まさしく「知性ではなく人の感情に訴えかけた言葉」といえます。

まとめ

今回は「知性ではなく感情に訴えかける言葉の力」というテーマについて解説しました。

ビジネスでもプライベートでも、私たちが生きる上で欠かせないコミュニケーション。そのなかでも、相手の感情に訴えかけるというのは、ある意味、永遠のテーマなのかもしれません。

一朝一夕で身につくものではなく、テクニックというよりは、自らの夢と相手を想う心から生まれる言葉ではないでしょうか。

本記事を参考に、人の感情に訴えかける言葉を意識して使ってもらえると幸いです。

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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