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2023.12.06|ライティング
「結論」→「理由」→「具体例」→「結論」
これは、ライティングテクニックとして有名なPREP法の流れです。伝えたいこと、書きたいことが明確になり、聞き手・読み手が理解しやすい文章構成を作ることが可能です。
しかし、便利だからといって万能なわけではなく、PREP法だからこその欠点が存在します。それにPREP法を使わなくても、興味を惹くスピーチやメッセージはたくさんあります。
世界最大の利用者を誇るSNSであるFacebookを開発したマーク・ザッカーバーグは、ハーバード大学の2017年度卒業式典でゲスト登壇し、「Purpos(目的)」についてスピーチを行っています。「目的」や「目的意識を持つ世界を作る方法」などを軸に語っていますが、PREP法という型にあてはめたスピーチではありませんでした。
もしも、マーク・ザッカーバーグがこのスピーチをPREP法に当てはめて、作っていたらどうでしょう。きっと機械的な印象を与える内容になり、ここまで有名になり語りつがれることもなかったかもしれません。
文章を書いたりスピーチをしたりする人なら知っているPREP法の便利さですが、本記事では、PREP法の持つ欠点に触れてみたいと思います。
目次
PREP法とは、以下の通り、結論から始まり結論で終わる型のことです。
Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)
結論を先出しすることで、「この文章・話では何について伝えるのか」が明確になります。特に結論ファーストを求められるビジネスの現場やプレゼンテーションにおいて、重宝される文章作成テクニックです。
また、PREP法を活用することで、読み手や聞き手から理解してもらいやすい、論理的な文章構成を作るのに役立ちます。
ビジネスパーソンにとって、覚えておいて損のない便利なテクニックですが、PREP法だからこその欠点も存在します。
欠点を理解しておくと、活用する場面を使い分けられたり、メリハリのある伝え方ができたりするので確認してみてください。
非常に便利な反面、多用しすぎることで単調な記事になりやすいという欠点があります。
例えば、1記事のなかに5つの見出しがあり、その内容すべてがPREP法で書かれていたらどうでしょう。すべてが「結論→理由→具体例→結論」で書かれていると、機械的な印象を受ける人も多いのではないかと想像できます。
結論ファーストは大切ですが、単調な記事・文章は読みづらさにつながります。読みづらく感じると理解力も落ちてしまい、内容が頭に入ってきづらいでしょう。PREP法の使い過ぎには注意ということです。
PREP法の特徴は「結論」ありきです。その結論を納得してもらうために、書き手側・話し手側が考えた理由と具体例を入れます。ただ、PREP法では読み手・聞き手に共感や納得してもらうのには向きません。なぜなら、共感や納得させるだけの具体例がないからです。
話が矛盾していると思った人もいるでしょう。確かにPREP法では「具体例」を入れますが、それはあくまでも結論に対する補足の意味合いが強く、共感や納得に至るものにはなりづらいということです。
PREP法が有効活用できるのは、ビジネス向けの文章作成やプレゼンテーションなどのケースです。
シナリオやスピーチを作成する際にPREP法を活用すると、きっと「つまらないもの」になるでしょう。ゲームでも小説でも映画でもドラマでも、最初にすべての結論がわかっている状態だと面白みが半減するのではないでしょうか。
結論がわからないからこそさまざまな憶測ができ、それが面白みの一つでもあるはずです。結論ファーストで伝えるべきビジネスシーンと異なり、シナリオやスピーチの作成では、PREP法は不向きと言えます。
記事冒頭のマーク・ザッカーバーグのスピーチのように、結論ファーストでなくても人々の心を動かすプレゼンテーションやスピーチはたくさんあります。
その一つがアップルコンピューターの生みの親であるスティーブ・ジョブズが、2005年にスタンフォード大学で行ったスピーチです。
このスピーチは以下の3つを軸に、ジョブズ本人の体験を踏まえて語られています。
ジョブズは、「Stay Hungry, Stay Foolish(ハングリーであれ、愚かであれ)」という言葉で締めくくっています。ジョブズが最も伝えたかった結論の部分です。3つの軸の先にあるのが、「Stay Hungry, Stay Foolish」であり、本スピーチの結論にあたるわけです。
このスピーチは動画配信サイトでも多くの人に閲覧され、ジョブズの言葉に胸を熱くした人もたくさんいたことでしょう。そしてジョブズの残した言葉のなかでも、一際有名な名言として語られています。
ここで注目したいのは、これだけ多くの人を惹きつけるスピーチでありながら、PREP法が使われていないことです。スピーチの冒頭や序盤で「Stay Hungry, Stay Foolish」という言葉は出てきません。
むしろ、PREP法のルールにのっとって、「Stay Hungry, Stay Foolish」という結論から始めていたらどうなるのでしょう。
「Stay Hungry, Stay Foolish」という言葉だけをいきなり聞いても、多くの人は理解できず、不要な先入観を生み出してしまうのではないかと思います。そのため、PREP法のように冒頭でいきなり伝えるよりも、スピーチの締めくくりとして伝えることで、聞き手にとって一つのストーリーを味わったように感じられ、人々の心を打つことができたのでしょう。
本記事では、PREP法の欠点について解説しました。
結論ファーストで伝えられるPREP法は、あらゆるビジネスシーンで活用できる便利なコミュニケーションテクニックの一つです。
しかしPREP法に頼りすぎると単調な記事になったり、シナリオやスピーチ作成には向いていなかったりと欠点もあります。
スティーブ・ジョブズのスピーチを紹介しましたが、本人が最も伝えたい言葉を冒頭に持ってくることが必ずしも正解ではありません。人々を惹きつける内容を語り、その最後に締めの言葉として最も伝えたいことを投げかけるからこそ、心に残り続けることもあります。
PREP法は素晴らしいテクニックです。ただ、結論から始めることが必ずしも正解ではなく、文章全体やスピーチの内容全体という広い視点でみた時に、結論ファースト以外にも最適解は存在していることを心に留めておきましょう。
この記事があなたのビジネスのお役に立てると幸いです。
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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