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2024.04.15|ライティング
『ディズニーランドが完成することはない。世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう。』-ウォルト・ディズニー
「ディズニー」という一大エンターテイメントを生み出したウォルト・ディズニー。ウォルトが構想し、制作に取り組んだディズニーランドは今も未完成で、これからも完成することはありません。ウォルトの言葉は、自身の死後もディズニーランドが人々に夢と感動をあたえ続ける場所であって欲しいという思いから、ディズニーのあるべき姿を言葉にしたのでしょう。
まさしく進化し続けるというのが、ディズニーという企業のトンマナであり、ディズニーで働く人々とディズニーに訪れる人々との約束事になっています。文章作成において欠かせないトンマナに関して、その重要性と企業やブランドのライティングにおいてどのように活用されているのかを解説します。
目次
トンマナとは「トーン&マナー」の略で、文言やデザインに一貫性・統一感を持たせるルールのことです。
たとえば、文章の語尾を「です・ます調」で揃えたり、記事内で使用する表現を単語レベルで統一したり。
トンマナのルールを設定することで、文章に統一感がでて、読みやすい・理解しやすい文章に近づきます。トンマナを「トーン」と「マナー」に分けて考えてみると、よりわかりやすいでしょう。
トーンには「調子」という意味が含まれており、さらに「調子」には以下の意味があります。
文章におけるトーンには、言葉の表現の違いや文章のリズムがあります。
文章は、筆者の頭のなかにあるものを文字に起こしたものです。筆者自身は、何を言いたいのかあらかじめ理解できているわけです。たとえ小難しい言葉を使用してみても、早口や変なイントネーションで声に出してみても、筆者本人は理解できます。
しかし、読み手は、文章の内容を頭のなかに落とし込んで理解しなければ先に進めません。記事のなかに複数の言い回しがあれば、スムーズに理解できず、リズム感・スピード感が悪くなります。
トーンの乱れがない文章は、読み手が理解しやすい文章であり、読み手への思いやりが表れていると言えます。
一方、マナーには「行儀・作法・様式」という意味があり、絶対的なルールではなく相手への気配りから行われる動作のことです。文章においても、読み手を思いやる気持ちを表現する手段なのです。
最後まで読み進めてもらうために表現を統一するという考えは大事です。しかし、さまざまなコンテンツや文章が生まれている現代において、読み手への気配りこそがトンマナにとって非常に重要だといえるでしょう。
トンマナへのこだわりは、ブランディングにも大きな影響をあたえます。
コンテンツマーケティングにおいて、ブランディング戦略に基づいたトンマナ設計は不可欠です。記事執筆では、文章のトンマナ作りにおいて、ブランドイメージ・企業イメージを考慮する必要があります。
文章を通してパーソナリティやメッセージを伝えることによって、企業やWebサイト、アプリなどの“らしさ"を表現することができます。
たとえば、10~20代をターゲットにしたファッションブランドであれば、「です・ます調」の堅い文末表現よりも、くだけた表現のほうが親しみやすさがでて、ブランドイメージにマッチするでしょう。
企業も個人もオウンドメディアやSNSで発信するのが当たり前になっている今、トンマナの統一はブランディングにおける重要なアクションの一つと言えます。
企業やブランドのライティングに関するトンマナ事例として、以下の3つを紹介します。
言葉選びや文章表現が異なることで、それぞれの印象の違いがわかりますので参考にしてみてください。
日本を代表するテーマパークの一つである東京ディズニーリゾートでは、公式インスタグラムを通してユーザーとコミュニケーションを取っています。
投稿の文面では「〜してね!」「〜しましょう♪」のように、親しみやすいように話し言葉の語尾を使ったり、音符マークや絵文字を多用したりしています。10〜20代のユーザーが多いインスタグラムで、ディズニーの世界観を壊さないためにも、トンマナとしてくだけた表現を使用しているのでしょう。
「たかが焼鳥屋で世の中を明るくしていきたい」というこだわりを持つ鳥貴族。
メニューの豊富さや味、値段など、どうすればお客様が笑顔になるかを考え挑戦している鳥貴族では、メニュー説明に企業の“らしさ”がでています。
鳥貴族のメニュー説明のトンマナには、「です・ます調」のような堅苦しさはありません。「これ美味しいから食べていってよ!」と、語りかけてくるような適度なフレンドリーさで統一されています。
八芳園は、東京都港区にある、400年以上の歴史をもつ日本庭園です。披露宴会場としても利用されています。
八芳園のホームページ内の文章は、「です・ます調」で統一されています。歴史ある八芳園の雰囲気を壊さないようにくだけた表現は使わず、読み手には丁寧かつ美しさが伝わるような文章表現を意識しているのが伝わります。
文章執筆におけるトンマナは、読み手への気配りであり書き手の約束事です。トンマナを決めて守るからこそ、統一感がでて、読み手の理解を助けることになります。
1955年7月17日、カリフォルニア州アナハイムに最初のディズニーランドがオープンしました。開園してすぐ、ウォルトは、新たなパークの構想を立て、より大きなプロジェクトへと関わっていきました。その後、パリ・東京・香港・上海と世界中にディズニーランドが広がりましたが、ウォルトはそれらのパークの完成を見ることはありませんでした。
しかし、ウォルトの大事にしていた「統一感」や「らしさ」は今も生き続けています。本人がいなくても、本人が残した言葉と想いが、ディズニーのトンマナとして生き続けているのです。
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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