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2024.07.16|ライティング
『画家は労働者が働くように勉強しなければならない。』-パブロ・ピカソ
「20世紀最大の画家」と称されるパブロ・ピカソ。幼い頃から絵を描くのが好きだったピカソは、16歳の若さでスペインで最も権威のある王立サン・フェルナンド美術アカデミーに入学しました。代表作である「ゲルニカ」や「泣く女」など、91歳で亡くなるまでに、約15万点もの作品を生み出し、「世界で最も多作な美術家」としてギネスブックに認定されています。
ピカソのアートに対するセンスが人一倍優れていたことは間違いないでしょう。しかし、ピカソは才能だけで素晴らしい作品を世に生み出し続けたたわけではありません。常に絵画に向き合い、誰よりも行動し作品を生み出してきたからこそ、歴史的な芸術家として名を残しているのです。
アートだけではなく、ライティングにおいても「センス」は必要です。しかし、センス以上に大事なことは「普通を知ること」。本記事では、人の心に残るような文章を執筆するために、センス以上に大切なことについて考えます。
以前、私はまほろば文庫において、水野学氏著『センスは知識からはじまる』の書評を掲載しました。
デザイン制作からブランド戦略までをトータルに手がけるグッドデザインカンパニー代表の水野学氏の言葉を引用すると、センスとは「数値化できない事象を最適化する視点」とのことです。
センスとは非常にわかりにくいもので、人それぞれの主観も入ります。たとえば、ファッションセンスとは、その時々のシーンや一緒にいる人、自分のパーソナリティに合わせて服装の良し悪しを判断できる能力を指しますが、具体的に「かわいい」や「かっこいい」を数値で計ることはできません。
日本で一番売れているブランドや高額な服は調査すればわかるでしょう。しかし、その服を着たからといって、センスがよくなるわけではもちろんありません。繰り返しますが、センスは数値化しづらく、非常にわかりにくいものなのです。
同様にライティングの良し悪しも「数値化しづらい事象」であり、人によって感じ方が異なります。しかし、媒体の特性や読者、求められるコンテンツの良し悪しを判断し、読者にあわせて言葉を綴ることはできます。その最適化がうまい人はきっと「センスがいい」と言われるでしょう。
水野氏は、センスを磨くにはまず「普通を知ること」だと述べています。普通とは、物事の良し悪しがわかったうえで、その一番真ん中がわかる状態です。普通という定義であらゆる事象が測れるようになると、「センスがいい」文章を書きやすくなります。
通常、ライティングにおける「普通」は1つではなく、媒体特性によって求められる文章が異なります。
あらゆるメディアにおける「普通」を知ることで、ライティングにおける「普通」の定義が定まります。
「普通」を知るためには、とにかく知識が必要です。様々なメディアの知識を身につけることで、各メディアの「普通」を知るようになり、「普通」を超えるセンスを身につけられます。
ピカソも同じです。ピカソは幼少期から絵を描き続けたことで、圧倒的な画力を身につけていました。当時の絵画界のトレンドは写実主義で、現実をそのまま映したような絵が上手いと評価されていました。
奇抜な絵の印象が強いピカソですが、いわゆる「普通」の絵も描いており、ピカソはわずか15歳で「科学と慈愛」を書き上げています。つまり、ピカソも「普通」の感覚を持っていました。ピカソは絵画の「普通」を知ったうえで、ピカソなりに「普通」を超えて、多くの人が知る画風になったのです。
普通を超えた先に生み出された作品の代表例が、キュビスムを用いた「アヴィニョンの娘たち」でしょう。ピカソは、ジョルジュ・ブラックと共に「キュビスム」という絵画様式を生み出しています。キュビスムとは、人や自然の立体的な風景を幾何学的な形で捉えて、平面で表す絵画様式のことです。描かれている要素が立方体(キューブ)に見えることから、キュビスムと呼ばれるようになりました。
ピカソは現実をただ模倣するだけの絵画ではなく、目に見えるものをあらゆる角度から分析するようにしたのです。ピカソのように「普通」を学んだうえで、その普通をさらに超えることを「センスがいい」と言うのでしょう。
つまり、“センスは知識からはじまる”というわけです。
ライティングにおいて「センスの良し悪し」を判断できるようになるには、まずは媒体特性や読者層、求められるコンテンツのレベルの「普通」を知ることから始めましょう。「普通」を知らなければ、「普通」以上の作品は作れません。
千利休が「守破離」という言葉を残したように、「守」を忘れてしまうと「破」をしても崩れてしまいます。まずは徹底的に「守」に時間をかける必要があります。千利休が「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」と詠ったように、まずは「普通を知ること」が大切なのです。
誰よりも絵画に向き合い続けてきたピカソですが、商売人としてのセンスがあったことはあまり知られていません。5大シャトーの一つ、シャトー・ムートン・ロートシルトは、ピカソにワインラベルのデザインを依頼しています。
高級なワインであるため、デザイン料も高額かと思いきや、ピカソはデザイン料を受け取っていませんでした。ピカソが現金の代わりに報酬として受け取ったのは、自身がデザインしたラベルの貼られたワイン。受け取った本数は不明ですが、自身のデザインが多くの人に届き評価されることで、ワインの価格が上昇するだろう考えたそうです。
ピカソの遺産の評価額は日本円に換算すると4,000~8,000億円に上るといわれています。
アートだけでなく、お金やビジネスについても「普通」を知り、センスを磨き続けた結果なのでしょう。「20世紀最大の画家」「人類史上もっとも経済的に成功した芸術家」と称されるピカソ。その称号に異論を唱える者はいないのではないでしょうか。
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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