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最高の戦略教科書 孫子
著者:守屋 淳
出版社:日経BPマーケティング
発売日:2014年1月1日
著者について
私たちが生きる現代は未来に対する具体的なマニュアルを持ちにくい。旅で例えるならば手元に「子どもが描いた手書き地図」のみを携帯しジャングルを抜けようとするような状態だ。
こんな場合に何より必要となってくるのは、「あっちの方へ進めばなんとかなるはず」という方向性の感覚と、「水がないと人は死んでしまうので、水の確保を最優先とする」といった競争状態での原理原則の数々。
本書では後者の「競争状態での原理原則」の感覚を養うことができる。Ⅰ部「『孫子』は何が言いたいのか」ではまず「孫子」の内容を理解し、Ⅱ部「『孫子』は現代でも活用可能なのか」ではその内容の一般化・抽象化、現代に応用可能か?というふうに2部に分けて「孫子」の戦略思考を身につけるステップを追っていく。
先行きが不明瞭なこの時代だからこそ、経営者やビジネスマンの方にご一読いただきたい一冊だ。
『変化を恐れずに挑戦すれば、夢の実現に向けた道が拓けるだろう。』-麿秀晴
これはTOPPANホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEO 麿 秀晴氏が新入社員に向けて贈った言葉です。この「変化を恐れず挑戦する」という言葉には、印刷需要減少の逆風の中で大きなポートフォリオ変革を推し進める麿社長の"信念"とも呼ぶべき想いが込められています。そしてTOPPANホールディングス全体を貫く精神には、『孫子』の教えと通ずる数多くの共通点があると私は感じました。
「凸版印刷」として知られる同社が、社名から"印刷"の文字を外したのは2023年10月。世界中の課題を突破するという決意を、英字の「TOPPAN」に込めたといいます。背景にあったのは、1900年の創業以来かつて経験しえなかったほどの印刷不況。業界団体がとりまとめた資料によると、印刷業界全体の出荷額は1991年の約9兆円をピークに右肩下がりが続き、2020年には約4兆6000億円と30年間で半減しています。"紙離れ"の影響は業界の雄である凸版印刷にも大きな影響を与え、売上高は2017年まで減少を続けました。
しかし2018年以降、同社の売上高はV字回復を遂げます。コロナ禍の影響もあり、2021年は一時的に売上高が落ちましたが、2021年以降は4期連続で右肩上がり。印刷不況もコロナ禍も乗り越え、飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を伸ばし続けています。その背景にあったのが、同社の「果敢なポートフォリオ改革」でした。
あまり知られていませんが、実はTOPPANの主力事業はもはや「印刷」ではありません。TOPPANは、印刷事業で培った技術をコアコンピタンスとしながら、近年では精力的に多角化を推し進めています。主力の事業セグメントは、コンテンツマーケティングなどを行う「情報コミュニーケーション事業分野」、パッケージや建築材を扱う「生活・産業事業分野」、半導体やディスプレイ製造を行う「エレクトロニクス事業分野」の3つ。それぞれの売上比率は53.3%、31.3%、15.4%と、印刷業で培った技術を武器にうまく経営多角化を図っていることがわかります。冒頭に述べた「変化を恐れずに挑戦する」という言葉には、まさに変化を恐れずに挑戦し続けるTOPPANの精神が宿っていると感じます。
孫子は「兵とは国の大事なり、生死の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。」という言葉を残しました。つまり、軍事は国家にとって重大事であるから人の生き死にがかかっており、国家の存亡が決まる。 だからよくよく考えないといけないというわけです。企業においても、経営者が判断を間違えれば存亡の危機に陥ることがあります。経営学においても、多角化はシナジーを生まない限り悪手となりかねないと言われます。多くの企業が多角化で失敗してしまうのは、自社の強みや弱み、そして競合他社や市場環境のことをあまり理解しないまま、不得意な分野やシナジーを生まない分野で多角化してしまうからかもしれません。
しかし、TOPPANは違いました。TOPPANは自社の強みと弱みを知り、自社の"コアコンピタンス"とシナジーを生む分野で、かつ自社の技術が求められる分野で多角化を進めています。まさに、彼(市場環境や競合他社)を知り、己(コアコンピタンス)を知ったうえで戦っていると感じます。1900年の創業以来、事業形態を変えながらも業績を伸ばし続けるTOPPAN。これがTOPPANが『百戦危うからず』である秘訣ではないでしょうか。
『彼を知り 己を知れば 百戦殆からず』-孫子
死人であっても蘇生できたり、潰れた国や企業であっても復興できるのであれば、それは重大事ではあっても致命傷ではない。ポイントは「致命傷になるか否か」「やり直しが利くか否か」にある。(P.24)
上兵は謀を伐つ【謀攻篇】 ──最高の戦い方は、事前に敵の意図を見破ってこれを封じることである(中略)その次は交わりを伐つ【謀攻篇】 ──次善の策は、敵の同盟関係を分断して孤立させることである(P.31)
将とは、智、信、仁、勇、厳なり【始計篇】 ──「将」──知謀、信義、仁慈、勇気、威厳など将軍の器量(P.154)
ところが現在、人生にしろビジネスにしろ、「生き死に」に直結してしまう競争や争いは、あまりない。そうなると、そこには多様な価値観が芽生えることになる。そういった状況において弱者が生き残るには、一つ大原則があるのだ。それは、 「勝てるところで戦う」 ということだ。(P.292)
世間で軍事について論ずるものは、 みな『孫子』十三篇を口にする(P.300)
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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