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全米トップマーケターが教える「マーケティングの真髄」

集客・マーケティング

新訳 ハイパワー・マーケティング

あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方

著者:ジェイ・エイブラハム(Jay Abraham)
出版社:KADOKAWA
発売日:2017年10月27日

著者について

ジェイ・エイブラハム(Jay Abraham)。1949年、米国生まれ。実践マーケティングの巨匠。「フォーブス」誌が2000年に全米トップ5のビジネスコーチに選出。ウィリアム・デミング博士から直接学び、隠れた資産の最大化などにより不況知らずの成長戦略を提示すると共に、ビジネス倫理の推進者として認知されている。著書に『マネー・コネクション』(KADOKAWA)など。

本の概要

「ビジネスとは顧客の問題解決である。」

これまでに1万人の経営者を指導してきた全米トップマーケターのジェイ・エイブラハムは、そのように語る。

私たちビジネスを行う者にとっては、顧客は「商品やサービスを買っているのだ」とついつい思ってしまう。だが、現実は違う。顧客が買っているのは、不足の充足、不満や不便の解消など、「問題解決の手段」だ。つまり、顧客が本当に求めているものは「いま、目の前にある問題の解決」なのであって、商品やサービスは「問題解決の手段」に過ぎないのだ。

このジェイ・エイブラハムの教えは、IBMやシティバンク、Microsoft、AT&Tなど、数々の米国企業のビジネスを成功へと導いた。そして、このマーケティングの巨匠の教えをまとめたものが本書である。

本書は、2000年に全米で大ヒットしてから、今なお多くのコンサルタントや経営者、マーケターに読み継がれるロングセラーである。本書を読むことで「マーケティングの真髄とは何か」という、今も昔も変わらない重要な学びが得られるだろう。

読んだ感想

「信頼は期待を超え続けることで得ることができる」

そう感じたのは、私がとあるホテルでコンシェルジュさんの一流のサービスを受けたときでした。

その日の天気は、あいにくの雨模様。いつ雪に変わってもおかしくない、冬の冷たくて刺すような雨が降る日のことです。急に決まった出張でヘトヘトになり、心身ともにグッタリと疲れてチェックインしたホテルでの出来事でした。

案内された部屋に入り、私は眠い目を擦りながら次の日の打ち合わせについてチェックをしていました。しかし、そこで私はあることに気がつきました。次の日の昼にクライアントとの会食で予約していたはずのお店が、システム上の不備で予約取り消しになってしまっていたのです。日中に何度も電話は来ていたようですが、フライトで電波の届かない雲の上にいた私の携帯には、その着信は届きませんでした。しかも、私が出張に行った地域は比較的田舎で、これから予約できる飲食店は検索してもほとんど出てきません。絶体絶命の状況に、私は言葉が出ませんでした。

藁にも縋るような想いで、私はロビーに行ってコンシェルジュさんに助けを求めました。「この近くに、今から予約できる商談用のレストランはないか」と。いま思えば、私もかなり無理なお願いをしたものです。それでもコンシェルジュさんは、丁寧に私の要望をまるで自分のことのように真摯に聞いてくれて、一本一本直接電話をかけて確認をしてくれました。他のスタッフさんとも「あのお店ならまだ予約が取れるんじゃないか」などと話し合ってくれて、私のために全力を尽くしてくれました。そうして、最終的には1店舗、条件に合ったお店が見つかり、無事私はクライアントと商談をすることができました。

話はそれだけではありません。そのコンシェルジュさんは、予約時に商談がうまく進むよう、個室でクライアントとじっくりと話ができる、最高の席を予約してくれたのです。さらに後から知ったことですが、お店には私たちが商談用に個室を使いたい旨を伝え、お店の中でも最も奥の、他の人の話し声が気にならない席を手配してくださいました。私はコンシェルジュさんの、期待を超えた素晴らしい対応に、驚きと感謝の思いでいっぱいでした。それから私は、同じ地に出張に行くときは、いつも同じホテルを予約するようにしていますが、あのコンシェルジュさんはいつでも私の期待を超えるサービスを提供してくれます。その日から私は、この信頼しているコンシェルジュさんを思い出しながら「信頼は期待を超え続けることで得ることができる」という思いで、毎日仕事に励んでいます。

このコンシェルジュさんの姿に、私は本書で伝えたい「マーケティングの真髄」が詰まっていると感じました。一流のホテルは、ただ「泊まる場所」を提供しているわけではありません。ただ単純に「言われたこと」や「指示されたこと」をルーティン的にこなしているわけでもありません。お客が「本当は何に困っているのか」「どのような問題を抱えているのか」という問題点を聞き出し、その解決策を提供しているのです。

本書には、次のような言葉が記されています。

『まずは、あなたと取引をするときにクライアントが必要としている結果を、たとえクライアント自身が言語化できなかったとしても、正確に理解して把握しなければなりません。そして、必要としている最終的な結果がわかったら、あなたがその結果まで導きます。つまり、あなたは信頼できるアドバイザーになったということです。その相手はあなたの保護下にあることになります。そしてそれは、生涯あなたのクライアントであり続ける理由になるのです。』

まさに、私にとっての「信頼できるアドバイザー」とは、このコンシェルジュさんに他なりません。そしてその結果として、私はこのコンシェルジュさんのクライアントであり続けています。

その一流のコンシェルジュさんが私に教えてくれた信頼の築き方は、私の人生観を大きく変えました。それは、単に他人の期待を超え続けるということだけではなく、人々が直面する問題を理解し、一緒に解決策を探していくということでした。その過程で相手の心をつかみ、結果として、真の信頼が生まれる。それが、私にとっての「マーケティングの真髄」であり「信頼の本質」です。

私は仕事をする際、クライアントさんに最善の結果を導き出すために全力を尽くすように心がけています。それは、このコンシェルジュさんから学んだ教訓と、本書で学んだ「マーケティングの真髄」が背景にあります。

信頼は期待を超え続けることで得ることができる。
あのコンシェルジュさんのように、私もクライアントさんにとっての「信頼できるアドバイザー」になれるよう、日々精進していきます。

印象に残った言葉【本書から引用】

ビジネスを大きくする方法は、たった3つしかありません。
1 クライアントの数を増やす
2 クライアント1人あたりの平均販売額を増やす
3 クライアントが購入する頻度を増やす(P.19)
「顧客:商品やサービスを購入する人 クライアント:他人の保護下にある人」
この2つの意味は大きく異なります。それによって、あなたのビジネスの相手がどう扱われるか、または、どう扱われるべきかということも、大きく違ってくるのです。あなたが、ビジネスの対象を「顧客」と呼んでも問題ありません。しかし、その対象を呼ぶときは、常に「クライアント」と考えるようにしてください。(P.33)
混み合った市場で優位に立つには、競合を上回るユニークで特長的な強みやメリットを見込み客とクライアントに提供する必要があります。そうしなければ、あなたを選ぶ理由がないからです。(P.54)
見込み客やクライアントのリスクを取り除けば、行動へのハードルを下げることができ、購入時の主な障害物を取り除くことができます。これこそが、あなたのしなければならないことです。クライアントとの取引では、常にあなたがリスクを負いましょう。(P.81)
私が考えるマーケティングの天才は、いつでも最小限の努力から最大限の結果を得る能力を持つ人です。(P.231)

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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