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紹介で顧客を増やすリファラルマーケティング

集客・マーケティング

リファラルマーケティング大全

著者:株式会社クリエイティブホープ
出版社:フォレスト出版
発売日:2022年9月17日

著者について

株式会社クリエイティブホープ。2002年の創業よりデジタルマーケティング支援を行うコンサルティング企業。テクノロジーを軸としたコンサルティング事業を展開し、企業が抱えるビジネスの問題を「サービス・組織・システム」の3つの側面から課題を整理し、「あるべき姿」を提案・実行するところまで責任を持って支援するスタンスで企業のDX化を推進している。2019年よりリファラルマーケティング支援サービスinvyを展開。現在までのところ150社を超える企業のリファラル導入・運用支援を行う。

本の概要

ほっぺたが落ちるほど美味しい料理を食べたとき、あなたは「この料理を大切なあの人にも食べさせてあげたい」と感じたことはないだろうか。

または、とても優れたサービスや商品を見つけたとき、あなたは「この商品・サービスを大切なあの人にも紹介したい」と感じたことはないだろうか。

本書で紹介するリファラルマーケティングとは、ある商品やサービスを利用したユーザーが親しい人に紹介することで、その商品やサービスの価値が波及していくことを狙うマーケティング手法のことだ。

マス広告の費用対効果が疑問視され、ネット広告費も高騰し、口コミの信頼性も失われる中、信頼できる人の紹介だけは力を失っていない。今までの広告をすべてやめる必要はないが、現在用意している広告宣伝予算の一部をリファラルマーケティングに回すだけでも、期待以上の効果があるだろう。

そして本書は、最新のリファラルマーケティングを網羅的・体系的にまとめた一冊だ。
「広告を打ってもあまり効果が感じられない」や「自社でもリファラルマーケティングを導入していきたい」と考えている経営者にぜひご一読いただきたい。

読んだ感想

高度経済成長期において、日本は「良いものを、より安く」売ることで、世界に「ものづくり大国」としての名を轟かせました。この時代では、良い製品を作れば作るほど売上は上がるうえ、商品のライフサイクルも長かったため、どれだけ在庫を積み上げても問題はありません。多くの日本企業は、良いものを大量に生産するという「お家芸」で、非常に高い収益性を発揮しました。

しかし残念ながら、それはもう過去の話になってしまいました。各国の技術力の向上により、競合他社よりも機能や性能が良い商品を市場に投入しても瞬く間に追随されてしまうようになりました。より安く製品を売ろうとしても、中国や東南アジアなどの人件費の安い国との価格競争に勝てるはずもありません。

今、全ての日本企業は「良いものを、より安く」売るだけでは生き残れない、非常に厳しい時代の中で戦っていかなければならないのです。

では、商品やサービスの差別化が難しくなったこの時代に、生活者はどのような基準で商品・サービスを選んでいるのでしょうか。それは「信用できる人からの信用できる情報」です。生活者は、インターネット上に無数に存在する広告やアフィリエイトサイトの謳い文句よりも、信頼できる人の「この商品いいよ!」の一言を信用します。この信頼できる人からの紹介をうまく活用し、その商品・サービスの価値が波及していくことを狙うマーケティング手法こそが、本書で紹介されている「リファラルマーケティング」です。

リファラルマーケティングを行うメリットは本書でも沢山紹介されていますが、その中でも私が一番共感したのは「リファラルマーケティングを行うことによって、三方よしが実現できる」ということです。

「三方よし」とは「買い手よし、売り手よし、世間よし」の三方にメリットがある状態のことであり、近江商人の経営理念を表現する言葉としても用いられます。リファラルマーケティングを行うことにより、紹介者は紹介によるインセンティブがもらえ、ゲストも信頼できる情報ソースから商品を購入でき、事業者にも利益が上がる。商売はいつの時代においても信用で成り立っていますから、お客さんと世間とこのようなWin-Win-Winの関係を築いていくことが、時代の波に揉まれず強固な経営基盤を作るための必要条件だと私は思います。

近代日本経済の父である渋沢栄一は、生前「優れたものの魂を真似よ」という言葉を残しました。人気の商品を真似し、流行りのマーケティング手法を取り入れたとしても、それが廃れるのはとても早いものです。逆に長年お客さんや世間から愛されている企業や商品は、そのような流行に乗っかることはなく、常にお客様(特に上位顧客)や世間と長く良い関係を築こうと努力しています。私たちは、このような優れた商品の表面上の機能やデザインではなく、そこで働く人たちの「魂」を学ぶべきではないでしょうか。

どんなに変化の激しい時代においても、リファラル(紹介)で良さが伝わっていく商品/サービスは生き残ります。長く愛され、お客様と世間と良い関係を作っていくマーケティング、それがリファラルマーケティングだと私は考えます。

いま割いている宣伝広告費の一部でもリファラル施策に回すことができれば、また違った世界が見えるようになるかもしれません。

印象に残った言葉【本書から引用】

ページ数はKindleの位置No.で代用
(人に勧めたくなるほどの感動とは、)ポイントは①手頃な価格②充実した機能③利便性の高いサービス④高い体験価値・時間価値⑤顧客の成功(カスタマーサクセス)の5つです。(No.380/3407)
共有はリファラルマーケティングであり、顔の見えている人同士が、信頼に基づいて、長く続けるものです。拡散はバズマーケティングであり、顔の見えない人同士が、話題性に基づいて、アッという間に消費してしまうものです。共有は質、拡散は量だということもできます。(No.464/3407)
実はBtoBの経営者(エグゼクティブ)の73%は、知り合いから紹介された営業担当者と仕事をすることを好むというデータがあります(No.757/3407)
紹介には「相手」と「シーン」があり、その2つが顧客の中で言語化されないと紹介は発生しません。そしてそこには愛着が絡んできます。(No.1219/3407)
したがってリファラルマーケティングに取り組むことは、ブランディングに取り組んでいることと同じことなのです。(No.3365/3407)

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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