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問題解決力を高める「推論」の技術
著者:羽田 康祐 k_bird
出版社:フォレスト出版
発売日:2020年1月8日
著者について
私たちの生きる21世紀は「正解のない時代」である。
インターネットの発展により人々のライフスタイルは多様化し、数えきれないほどの新しい職業や生き方が生まれた。2020年には新型コロナウイルスが流行し、これまでの「常識」は「新しい常識」に取って代わられた。最近では、ChatGPTをはじめとする生成系AIが世界中で活用され始め、働き方が今まさに大きく変わろうとしている。
「この世界には、どこかに絶対的な正解があるはずだ」
そうやって「正解」を追い求めるのは、もう時代遅れなのかもしれない。
そんなVUCA時代に求められる力は、あるはずもない「正解」を追い求める力ではなく、「環境の変化からさまざまな変化を見出し、適切な推論を立て、能動的に問題解決をしていこうとする力」である。
本書を一読することで「正解」という幻想を捨て、あなたの目の前にある多くの「可能性」から優れた洞察を得る「推論力」を身につけることができるだろう。
2021年10月、米国の3名の研究者(David Card, Joshua Angrist, Guido Imbens)たちにノーベル経済学賞が贈られました。
彼らの研究で特に注目が集まったのが「因果推論」という統計学的なアプローチ方法です。ノーベル賞を受賞した3名は、伝統的な経済学研究で用いられるようなデータのみで因果関係を推定することはせず、経済学という社会科学に自然実験を用いるという画期的な方法で因果関係を推定しました。この自然実験で因果関係を推定するという方法論は全ての経済学分野での実証研究の方法を塗り替え、どのような仕組みで因果関係が推定されているのかを明確に議論することが求められるようになりました。
この3名のノーベル経済学賞受賞は「情報が氾濫するこの21世紀において、原因と結果を正しく推論する力が求められている」というものも背景にあると私は考えています。20世紀までは、研究者たちが得られる情報は限られており、数えられる程度の変数の中で原因と結果を議論することが一般的でした。しかし昨今のインターネットやビッグデータ、AIの発展が示しているように、原因と結果に影響を及ぼす変数は数えきれないほど存在しており、そのような原因と結果の効果の多様性を認めなければ成熟した議論はできない段階へと進んでいます。
そしてこの傾向は、ビジネスの世界においてもより一層重要度を増しています。例えば、かつては何らかのマーケティングの施策を打ったとき、それによって売上が上がればその施策は成功、売上が上がらなければ施策は失敗、という簡単な推論が用いられていました。しかし、今はもうそのような単純な推論は通用しない時代へと突入しています。新しい市場の急速な拡大や、目まぐるしく変化する社会情勢、テクノロジーを活用した全く新しい新規参入者の登場など、因果を推論するために必要な変数は数えられないほど存在します。あらゆる可能性を考慮に入れ、精緻な推論を行わなければ生き残れない。そんな厳しい時代に私たちはビジネスをしているということを強く認識しなければいけないと感じます。
本書では、推論力とは「未知の物事に対して道筋を立てて推測し、論理的に妥当な結論を導き出す力」のことだと定義されています。そして推論力の具体的な方法論である「帰納法」「演繹法」「アブダクション」について具体的な例を用いてわかりやすく説明されており、今この時代に求められる推論力が鍛えられる素晴らしい一冊だと感じました。
この世の中のどこかに「正解がある」と考えるのは、もはや幻想にすぎません。今、あなたの目の前にあるのは、多くの「可能性」だけです。ぜひ本書を読んで、VUCA時代の必須スキルとも言える推論力を養ってください。推論を通して「見えない原因」を見極め「見えない将来」を見通すことができれば、自身のビジネスを発展させる大きな原動力になると私は確信しています。
重要なことなので繰り返すが、この世の中のどこかに「正解がある」と考えるのは幻想にすぎない。今、あなたの目の前にあるのは、多くの「可能性」だけだ。(P.5)
推論力=未知の事柄に対して道筋を立てて推測し、論理的に妥当な結論を導き出す力(p.15)
そんな時代だからこそ、溢れる情報の中から重要な情報を見抜き、早い段階で精度の高い「解釈」を加え、あなた独自の「推論」に変える「推論力」は、あなた自身の希少価値となりえる。(P.35)
ビジネスの世界では「何をやらせても優秀な人」が存在するが、「何をやらせても優秀な人」の共通点は、どんなに些細な事実からも「見えないもの」を見抜き、それらを洞察的帰納法で「法則化」し、さまざまな分野に応用する習慣を持っていることだ。(p.83)
「行動しない」ということは、自分を成長させる機会を見送っていることと同じだ。同時に、将来に向けて自らリスクの芽を育ててしまっているともいえる。そして決断を先送りすればするほど、将来に対する選択肢は少なくなり、得られるリターンも少なくなる。(p.270)
AUTHOR天野 勝規
株式会社まほろば 代表取締役
士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級
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