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シャネルから学ぶ本当の「黒」の意味とは?

2023.07.22デザイン

空港やデパートでひときわ目立つシャネルのロゴとマークは、誰しも見たことがあるのではないでしょうか。白地に黒のコントラストの強い「CHANEL」のロゴ、重なった「C」のデザイン。

シャネルは、ファッションブランドに詳しくない人でも、すぐに分かるほど知名度が高い高級ブランドです。そして、シャネルのイメージカラーは「黒」です。人の心に映る「黒」のイメージは昔から現代にかけて大きく変化してきました。

変化のきっかけを作り出したのはシャネルです。創業者であるココ・シャネルは「黒」に対する人々のイメージを大きく変えるデザインを発表、同時に女性の自由をサポートするアイデアを多く残しました。
カラーイメージと女性の生き方を大きく変えた、シャネルの「黒」について解説します。

「黒」からイメージされるもの

「黒」のイメージは昔から現代にかけてどのように変化してきたのでしょうか。

「黒」のイメージ 昔編(1920年代)

シャネルの創業者であるココ・シャネルが初めて帽子のお店を出店した1914年当時、「黒」のイメージは社会的な面からも人種的な面からもマイナスの印象が強く、厳粛さや喪服を連想させるイメージがありました。暗く重い色彩は威圧感や悲しみを表現し、制約を感じさせる存在と捉えられていたのです。

1910年代の「黒」のイメージ
邪悪・死・喪服・カラス・威圧・暗い・怖い・不気味・恐怖・差別・裁判・暗黒・強さ・威厳

「黒」のイメージ 現代編(2020年代)

2020年代の「黒」は、黒いスマートフォンや電子機器などのボディカラーに選ばれるように、モダンで洗練されたイメージが先に立ちます。例えば、暗い背景に浮かび上がる光、モノクロのデジタルデザインなど、テクノロジーと未来感を象徴するカラーとして「黒」は、前向きなイメージが強い印象です。

また、無限と神秘的な要素が表現できるベースカラーとしても「黒」は欠かせない存在です。

さらに、ミニマリズムとシンプルさの究極にある「高級」「エレガント」として重視され、大人の魅力を表現できる「黒」はモダンなデザインやシンプルなロゴに頻繁に使用されています。

2020年代の「黒」のイメージ
モダン・洗練・未来・クール・テクノロジー・無限・神秘・ミニマリズム・シンプル・高級・エレガント・旅立ち

昔と現代の「黒」の服の変化

昔から現代まで、「黒」のイメージは変化してきました。特にファッション界では、「黒」は男性の服の色、厳粛さや力強さを象徴する色、もしくは女性の喪服としての存在が強く印象付けられていました。

また、当時の黒い服装は修道女や裁判官の制服、使用人の服のみであったため、女性が日常で黒い服を着ることはタブー視されていました。それが今では、日常で黒の服を着ることはおしゃれのワンエッセンスとして取り入れられています。

これだけ大きな制約のあるカラーであった「黒」が普段の日常に馴染むカラーに変わった背景にはシャネルが大きく影響していることをお話します。

「シャネル」のコンセプト

今でもレディースファッションのみの取り扱いを貫いているシャネル。以下の2つのコンセプトが、女性にフォーカスしたものであることがわかります。
「女性の服の解放」
「古い価値観にとらわれない自由で自立した女性」

女性の服の解放

当時の女性のファッションは、男性の好みを意識したもので、窮屈なコルセットにバルーンスカートが定番でした。窮屈なコルセットのために体調を崩す女性も多くいたほど、女性の服には制約がありました。ココ・シャネルはこの窮屈なファッションから女性を解放したいと考えていたのです。

ココ・シャネルは女性の服の解放の手段として女性用のファッションを発表しました。それが「ジャージー素材のスカート」「リトルブラックドレス(黒いミニドレス)」です。
コルセットをなくした機能的で開放されたファッションは人気を呼び、窮屈から女性が開放された瞬間でした。

古い価値観にとらわれない自由で自立した女性

ココ・シャネルは「リトルブラックドレス(黒いミニドレス)」の発表で、タブー視された「黒」をあえてチョイスし、モードの最先端の色としてファッションに登用したことで、大きな注目を浴びました。

「私は黒を押し通しました。黒はいまでも支配する色です。それはすべてを床にたたきつけますからね」
「私の前は誰も黒を着る勇気がなかった」

ココ・シャネルは、「古い価値観にとらわれないこと」「自分が良いと思ったらそれを追求する自由」「自分の意志で何かを選ぶ自立した女性」を自らの作品で訴えていたのだといわれています。

シャネルの「作品」が語るもの

シャネルはレディースファッションを中心にさまざまなアイテムを発表し、「黒」につながるシンプルをあらゆる作品に盛り込みました。

ツイードのシャネルスーツ

1960年代に入り、ウーマンリブと同時に女性の社会進出も増えていきました。同時に必要となってくるのがドレスに代わるファッションです。

ココ・シャネルは働きやすいレディースファッションとして女性用のスーツを発表。代表されるのが襟のないツイードのシャネルスーツです。複数の色が見え隠れするツイードは個性を表現でき、1着でコーディネートが完成します。

オン・オフ問わず着用できる汎用性、クラシカルな印象を与えることから、今も販売されている作品です。黒のツイードも発表され、トレンドに左右されないファッションは、まさにシャネルのアイデンティティともいえます。

シンプルで機能的な香水瓶

シャネルのシンプルで機能的な香水瓶は、当時の他のブランドの香水瓶とは全く異なるものでした。飾り気のない箱型のストンとしたボトルは、余分な装飾を排除し、それが逆に「美しく」見える計算されたデザインでした。

香水の名前も、マリリン・モンローが愛用していたことで有名になった「No.5」は1959年に発表されたもの。瓶には琥珀色の香水を美しく見せるカットがほどこされ、サイズは「ポケットに入る」ことにこだわって作られたものです。

「常に取り去ること。決してつけ足さないこと」

ココ・シャネルのブレない「シンプルさの追求」が伝わるメッセージです。
究極のシンプルにこだわり、ラベルもシンプルに白地に黒のロゴと名前のみが逆に新鮮に映る不思議な魅力です。

「黒」と 「アイデア」にこだわったシャネル

有名なブランドは多数ありますが、当時、女性が女性のために作り上げたブランドはシャネルだけでした。「黒」を選ぶことで自由を追求する女性の生き方を後押しする表現は、彼女の人生から大きく影響を受けているといわれています。

そのひとつが幼少時代の思い出です。幼い時代を修道院で過ごしたココ・シャネル。そこで着用していたのは「黒」の修道服でした。

制約や強さを感じる「黒」でレディースファッションを仕上げたこと。それは「自由」と「自立」の意味を込めていて、彼女の中にとどまっていた制約を解放する意味も込められていたのではないか、ということです。

すべてのカラーを覆いつくす「黒」

シャネルは、あらゆるカラーを覆いつくす存在として、「黒」を象徴的に活用しています。「黒」は無限の可能性を秘め、他の色との対比によって引き立たせることで、デザインに深みと魅力を与えることができます。

シャネルによって、黒はミステリアスさ、個性、自由、そして無限のエレガンスを象徴する存在として、私達の気持ちに存在する色になりました。

「黒はすべてに勝る」

ココ・シャネルのメッセージは自由で自立した姿を目指す女性へのエールとして残されました。

シャネルが生み出したアイデア

ココ・シャネルは、さらに数々の作品を生み出し、次々にヒットさせました。「黒」を着ることの自由、シンプルであることの美を求める女性の個性をさらに高めるアイテムばかりです。

パンツスーツ

男性の着用しているパンツを女性用に仕立て直し、発表したところ、たちまち広がり、今や女性がパンツをはく姿は、自然になりました。パンツスタイルはスカートに比べて足さばきもよく、機能的です。女性が着ているパンツはシャネルのアイデアによるものです。

チェーンバッグ

昔の女性のバッグは、クラッチバッグや小さなバニティバッグが定番。脇に挟むか、手に持つスタイルが定番でした。「女性の両手を自由に」と考えたところから、シャネルによって生み出されたチェーンバッグ。私達が普通に使っているショルダーバッグはチェーンバッグの応用になります。

バイカラーパンプス

パンプスのつま先部分のみが切り替えで異なる素材やカラーで仕上げられているパンプスをバイカラーパンプスと呼びます。シャネルが発表したバイカラーパンプスはベースがベージュカラーでつま先が黒のデザインでした。別の色との組み合わせでさらに黒が引き立ち、黒のスーツやドレスとの相性も抜群です。

リップスティック

「外出先でも口元をきれいにしておきたい」と考える女性の希望を実現させたアイテム。当時、口紅はクリームケースのような容器に入っていました。口紅が今の定番のスティック型に変わり、女性はいつでもきれいな口元をキープできるようになりました。

シャネルの成功から私達が学べること

不可能を可能にするアクション、不便を使いやすいものに変えるアイデアなどシャネルの大きな偉業から私達が学べることは意外にシンプルです。

先入観を捨てる

「世間では〇〇だから」
「いままで〇〇と言われてきた」
見えないルールや先入観を捨ててみる。簡単なようですが、実はかなり難しいことだといえます。しかしその先にある世界観が見えると、大きな成果が得られる気がします。

アンテナを張り巡らせる

商品やサービスに対して常に「今よりももっと良いものにするために」を念頭に入れてアンテナを張り巡らせるようにしておくことです。

商品であれば「使いにくいところ」、サービスでは「伝わりにくいところ」をどのようにすれば100%の良さを相手に届けられるのか、アンテナを立てることでさらに良いアイデアが思い浮かぶかも知れません。

まとめ

ネガティブイメージが強かった「黒」ですが、「黒」を使ったファションを次々に発表し、女性の自由と自立を唱えたシャネルは、多くの女性の共感を得て大企業に躍進しました。

今や「黒」のイメージはマイナスだけでなく、逆にプラス要素を強く感じる人も少なくないでしょう。一人の女性のアイデアが世界を動かした例は、私達にできることはまだまだたくさんあることを示してくれているように感じます。

「オレンジ」に高級感を与えたエルメスから学べること

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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