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デザインは主役ではない。大切なことは、組織のDNAを定義すること

2024.02.22デザイン

“We are not in the coffee business serving people. We are in the people business serving coffee. ”-Howard Schultz
(『私たちはコーヒービジネスを展開しているのではなく、コーヒーを提供する人々に焦点を当てたビジネスを展開しているのです』-ハワード・シュルツ)

朝に三にして暮れに四にす。目先の利益にとらわれると、本質が見えなくなってしまいます。甘い芳香を放つキョウチクトウには、口に入れると死に至るほどの毒がある。どれだけ魅力的に映ったとしても、本質を見誤った先に未来はありません。

2008年、飛ぶ鳥を落とす勢いで売上を伸ばしていたスターバックスの一店舗あたりの売上高伸び率が突如としてマイナスに転じました。全体の売上は伸びていたのに。いや、売上という「甘い毒」の誘惑に魅せられてしまったから、スターバックスの業績は下がってしまったのです。スターバックスは次々と店舗を増設し、売上を拡大しました。店舗デザインは相変わらず洒落ています。しかし店舗が増えるにつれて、スターバックスの他のカフェにはない「特別感」はなくなっていきました。客足は、スターバックスから徐々に遠のいていったのです。

逆境に立たされたスターバックスCEOのハワード・シュルツ氏は、自社のあり方を見つめ直しました。そして、冒頭の言葉を自社の従業員(パートナー)たちに伝えたと言われています。スターバックスは、売上を上げるための「コーヒービジネス」をしているのではない。「コーヒーを提供する人々」に焦点をあてたビジネスをしている。ハワード・シュルツは、自社のパートナーこそ最も大切にするべき存在であるという本質に気づいたのでした。

大切なのは「利潤」じゃない。家庭・職場の間にある「第3の場所」をつくること。
原点に立ち返ったスターバックスは、「スタバ離れ」の逆境を乗り越え、業績を回復させました。そして現在でも「誰もが自分らしくいられる場所」として、人々から愛され続けています。

スターバックスの魅力のひとつは、空間デザイン能力の高さです。スターバックスはコーヒーを提供するだけではなく、座り心地のよいソファや音楽で落ち着いてくつろげる空間を提供し、バリスタとのコミュニケーションを楽しめます。家と会社の往復だけではなく、一息入れられる場所、誰もが自分らしくいられる場所を提供しています。

しかし、スターバックスが愛され続けているのは、「デザインが優れているから」という理由だけではありません。2008年に逆境に立たされたとき、シュルツ氏が「本質」を見誤らなかったこと。これが、スターバックスが愛される理由です。デザインはあくまで手段であり、スターバックスが描く理想の未来を実現するための手段に過ぎない。デザインと理念の主従関係が逆転してしまうと、本質的な価値を生み出せなくなってしまうのです。

スマトラコーヒーの香りに魅せられて

スターバックスのロゴには「コーヒーの香りで人々を魅了したい」というシュルツの想いが込められています。

1971年、スターバックスはアメリカのワシントン州シアトルで小さなコーヒー豆の焙煎・販売会社として創業しました。創業から10年後、ハワード・シュルツが初めてスターバックスの店舗を訪れました。シュルツが口にしたのはスマトラコーヒー。その奥深い味わいに魅了され、わずか1年後にはスターバックスの社員となりました。

当初のスターバックスはコーヒー豆の焙煎と販売のみで、カフェはありませんでした。しかし、シュルツは「アメリカでも、本場イタリアのようなカフェ文化のコミュニティを広げたい」という強い想いから、カフェ事業拡大の道を模索しました。「第3の場所」のアイデアが芽吹いた瞬間です。スターバックスのロゴは、ギリシャ神話に登場するセイレーン(サイレン)をモチーフとしています。セイレーン(サイレン)は美しい歌声で船乗りを誘惑し、心を奪う存在です。スターバックスも「コーヒーの香りで人々を魅了したい」という思いを込めて、このロゴを採用しました。

また、スターバックスのコーポレートカラーである緑色は、ハワード・シュルツ氏が以前に設立したコーヒーチェーン店「イル・ジョルナーレ」のロゴカラーが緑色であったことに由来します。深い緑色は、安らぎと落ち着きを象徴し、スターバックスを特徴づける色となっています。

デザインは主役ではなく、手段である

ロゴやデザインは、確かに大切です。優れたデザインは、会社が描く理想の未来を実現するための強力な手段となりえます。しかし「ただ見た目がいいだけ」では、優れたデザインとは呼べないと私は考えています。優れたデザインは、会社の理念や創業者の想いがこもっており、それが視覚的に表現されているものです。かつてスターバックスが「原点」を忘れて利潤を追い求めてしまったように、「見た目のよさ」だけが先行して理念が蔑ろになってしまったデザインは意味がありません。理念や想いを表現する手段、それがデザインです。
デザインありきの店舗やWebサイトを作ってしまうと、理念や目的が曖昧になり、それを支える体系や戦略が欠如してしまいます。デザインが主導権を持ち、そのデザインに理念や目的が後付けされると、結果として顧客にとって意味がなく、間違ったメッセージを与えてしまいます。顧客は企業やブランドとの結びつきを感じず、商品やサービスに対する信頼や興味を持たないままであり、結果的に売上や顧客ロイヤルティの低下につながりかねません。

デザインが主役になってはだめです。主役はいつでも、あなたの想い。
デザインは、あなたの想いや経営理念を表現する手段なのです。

大切なことは、組織のDNAを定義すること

以前まほろば文庫でご紹介した書籍「理念経営2.0(佐宗 邦威 著)」に、次のような一節があります。

『大前提として、どんな企業理念であれ、組織への実装のいちばんの役割を負っているのは経営者自身だ。経営者自身が折に触れて企業理念を語ることは非常に重要だ。経営者がやらなければ、他のだれも率先してやってくれない。(p.309)』

経営者の想いや、企業の理念は、いわば組織のDNAです。生命は、DNAの塩基配列から転写、翻訳をおこなってタンパク質を合成し、それが血となり肉となります。会社も、経営者の想いや理念が組織文化を醸成し、結果としてその想いがデザインに反映されることは大いにあるでしょう。経営理念をうまく表現したデザインが、ビジネスにおいて絶大な効果を発揮することはいうまでもありません。

しかしどんな企業であれ、組織のDNAをつくるのは経営者自身です。理念を軽視し、デザインや見た目のよさのみを追い求めてしまっては、本質を見誤ってしまいます。組織のDNAをしっかりと定義し、それを組織の各所に反映させること。これは、経営者にとって最も重要な仕事の一つであるといえるでしょう。

2008年に訪れた逆境のあと、スターバックスは本質を見つめ直し、利益率を回復させました。自社で実施しているアンケートの結果によると、従業員満足度は89%。従業員一人ひとりに向き合うという、スターバックスの魂を取り戻した結果ではないでしょうか。

AUTHOR天野 勝規

株式会社まほろば 代表取締役

士業専門のホームページ制作会社「株式会社まほろば」の代表取締役。大阪教育大学 教育学部 卒業。総合小売業(東証プライム上場)、公益法人での勤務を経て29歳で起業。
独立開業時の集客・顧客開拓に関する相談から、年商数億円規模の事務所のマーケティング顧問まで幅広い対応実績。15年間で3,000事務所以上からご相談・お問合せ。
ホームページを活用しつつも、SEO対策だけに頼らない集客・顧客開拓の仕組みづくりを推奨している。
【保有資格】
社会保険労務士、年金アドバイザー2級

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